産地の声


こんなことは初めてです

(産地の声)vol.1321    <こんなことは初めてです>    2017.12.6

 落花生の季節になりましたが、とんだ間違いがありました。千葉半立ちという品種を作ってきたのですが、違う品種が混じってしまったのです。どこでどう間違ったか不明なのですが、落花生を煎る作業になって分かったのです。

 作付けした当人も千葉半立ちだと思っていたのです。作付けする中では分かりません。種の段階でもなんの疑問も抱かず作っていたのです。

 しようがないので、その旨を予約していたお客さんに知らせて何とかその対応をお願いしているところです。当農場はよそからのものや作付けに対する説明のできないものを扱いませんし、また無農薬栽培と言うこともあり、その分が確保できなくなってしまったのです。

 代わりの品種を調べたところナカデユタカと言う品種のようです。煎って食べましたらそれなりに美味しく食べられるのですが、千葉半立ちですと言って予約したところに回す訳には生きません。栽培は、無農薬栽培で問題ありませんが、今年の落花生はナカデユタカという品種で食べてもらうしかありません。

 お米で言えばコシヒカリを作ったつもりでいたのが、ササニシキという品種だったというような感じです。

 外面では分からず食べて見ての違いがあります。味を説明するのは難しいのですが、コシヒカリはふっくらと炊きあがりますが、ササニシキはどちらかというと固めでです。私の母は固めのご飯が良いと言ってましたが、私はふっくらごはんが美味しいと言い合っていたことを思い出します。

 こんなことは初めてです。肝に銘じておかないといけません。

 先週も書きましたが、今年は天候に恵まれず欠品が続いたり今度のようなまさかというようなことがあったり困ることしきりです。

 おかげさま農場を始めて30年になりますが、長い中では色いろんなことがあります。感傷に浸っている場合ではないのですが、そんな感じです。

 食は命、人は食べ続ける生き物ですからこれからもずっと種を蒔き、生産し続けるしかありませんが、この教訓を生かして頑張るしかありません。関係者の皆さんにはお詫びを申し上げると共に、叱咤激励をお願いします。

 今後ともよろしくお願いいたします。

                       おかげさま農場・高柳功

 

自然の食べ物を

(産地の声)vol.1320    <自然の食べ物を>      2017.11.29

 前にも書きましたが、先月の台風の被害でほうれん草がほぼ全滅してしまいました。よって、今はほうれん草が欠品です。ハウスに蒔いてあればいくらかは良かったと思いますが、露地栽培ですからまともに潮風を受けてしまったのです。

 今の季節は10月の始めから蒔き始めて1月くらいまでの出荷は露地栽培が主流です。それがまともに潮風を受けて始めは黒っぽくなり、斑点が出来て収穫にはいたらない!と言うことになってしまったのです。

 もちろん当農場だけでなくこの地域全体に被害が及んでいます。10月の長雨、低温が長く続いたせいで、人参、大根なども生育不足となって収量減へとなっています。

 8月の時点では「今年は雨があり、発芽も順調で人参も大根も豊作になるぞ」などと言っていたのですが、その後の悪天候で状況は変わってしまいました。困ったものです。

 明日が雨だというので今日は大豆の刈り取りをしました。急遽、NPO未来の人達がお手伝いとなって明るい内に刈り取り終了です。引きこもりや不登校の子供達だったというのですが、畑では元気に仕事をします。中学生の女の子2人が加わって賑やかでした。

 始めてきた時は下を向いて話もしない、と言う子がだんだん変わってきて、何かと積極的になって行く姿はすがすがしいものを感じます。家でこしらえたお煎餅や蒸かしさつまいもなど、中々よく食べてくれます。

 食べる元気が出てくれば健康体になってきます。買ったものは我が家では出さないようにしています。味付けはお塩か醤油、自前の食用油であげたものなどです。お塩は九十九里の海水を塩にした自然塩、お醤油は丸大豆本醸造のお醤油です。油は自前のもの。それ以外は一切の添加物は使いません。自然の素朴な味ですがそれが私達の命を自然な健康体にしてくれるのではと自画自賛してます。

 先日、我が家のお米と島根県のお醤油だけのせんべいを作りました。素朴な味ですが、飽きのこない、クセのないお煎餅です。お店に並ぶスナック類、お菓子類はなんとなく敬遠したくなります。

 と言うことで、人も自然の一員です。自然生態系の一員として生きる=食べることが必要ではないか、と思うのです。

                   おかげさま農場・高柳功

諸行無常です

(産地の声)vol.1319     <諸行無常です>       2017.11.22

 あまりよい話ではありませんが、ここのところお葬式が続いています。始めは私の同級生です。彼は有機栽培ではありませんが同じ町で農業を頑張っていた友人です。

 病身の両親を抱え8月には父親の葬儀をしたばかりです。連れあいは10年ほど前に脳腫瘍で亡くなっていて人を雇いながら一人経営でした。数ヶ月前に娘さんが農家を継ぐと言って帰って来たばかりだと聞きました。十分に伝えることを伝えきれずに突然亡くなってしまったのです。が、それでも娘さん夫婦が家にいたことだけでも良しと考えるしかありません。

 人は誰でも生老病死を迎えます。諸行無常です。とは言え同級生が亡くなるのは堪えます。毎年一人ぐらいの同級生が亡くなってきています。多いのはガン、次に心臓或いは脳梗塞など。気をつけていても中々それを乗り越えるのは難しいようです。

 そんな中でもここのところイベントが続いています。市の産業祭りやふれあい祭りと言ったかっての収穫祭のような参加です。当農場は農業団体でもありますが商工会ともつきあいがあり、毎年声がかかります。

 有機農業や環境問題を提起する場でもあります。会員農家の育てた野菜を持ってともあれ食べてもらおう!と毎年参加しています。食べ物は食べてみないと分かりません。そして美味しいと言われることが何よりの有り難いことです。

 とは言え野菜はその場では食べられません。そこで、餅を焼いたり甘酒やおにぎりなどを並べます。賑やかな人出の多いときは食べ物が人気です。出店の8割は食べ物屋さんです。負けずに頑張ろうと思っているのですがいつもいくらか残ってしまいます。娘曰く、「お父さん今回も赤字かなあ」と嘆いています。私は「何、参加することに意義があるんだ。参加するだけで、頑張っている人がいることの表明だ!」などと負け惜しみを言ってます。

 一方でなくなった人の弔いをしながら、一方で今生きている人のことを思いイベント参加していると、何か複雑な心境になります。

 そして今日は食と命の教室の人達が椿の実をもってきて椿油の搾油をしました。少しですが、ホンモノの油を!自前で、と言うことで試しにパンにつけて食べましたが美味でした。その後はお通夜に参列の日でした。

                        おかげさま農場・高柳功

 

今日は七五三の日

(産地の声)vol.1318     <今日は七五三の日>    2017.11.15 

 今日15日はかって七五三の日でした。当地の神社=大須賀神社の関係区の区長さんが七つの子全員に声をかけます。そして区長さん立ち会いのもとで神主さんに祝詞をあげてもらい、千歳飴が配られ記念写真を撮るというものでした。

 帯解き=七五三は各家の子供の祝いでもありましたが、村からすればこれで村の跡取りも出来て村が安泰だ、と言ったこともあったようです。昔風に言えば、村おさが村内の子供達を集めて村を挙げてお祝いしたようなものです。

 今どきは、地域の子供を地域が見守りお祝いするという風はなくなってしまい、各家だけの行事になってしまいました。ちょっとさびしい時代になってしまった感があります。

 かっては子供オビシャや子供祇園祭りなどがあって、そのつながりで山遊びや川遊びなど先輩に教わりながら遊ぶと言った、子供の社会がありました。それも日本の文化だったと思うのですが、すっかり個がはびこり?連帯や協力して一つのことを成し遂げると言った経験を積む場がなくなってしまったとも言えます。

 23日は今は勤労感謝の日ですが、かっては新嘗祭の日でもあり神社では流鏑馬(やぶさめ)などの祭りもあって、神にお供えをし自然の恵みに感謝した日でした。この日までは新穀を食べていけない。神様に添えてからその後から新穀=お米を食べられるんだよ、と教えられたこともあったのですが今は面影さえなくなりました。

 そんな話をすると古くさいと言われますが、なにか昔の方が生き様として芯が通っていたような気がします。新米の季節になると「まだ新米ができないか」と催促されたりすると浅ましいというか天の恵みに感謝することを忘れたのか、と思うときがあります。もうそう思う人は現代人ではないのかも知れません。

 と言いながら、我が家はさっそく新米を食べましたが美味しかったです。

 昨日は東京日本橋までお出かけしました。作る人、加工して大福を作る職人さんなど各様に人が集まって、あんこ餅、きなこ餅、おろし大根餅、お雑煮、大福まんじゅうなど食べました。私達の作ったモチ米の試食会の様相でした。

 正体の知れた食べ物は安心できます。そして美味しければなおのことです。日頃に出会えない方々でしたので良い勉強の時でした。

                     おかげさま農場・高柳功

 

今年はさんざん

(産地の声)vol.1317     <今年はさんざん>  2017.11.9 

 おかげさま農場の片岡です。久々の登場です。今年は秋の異常気象で大変な状況になって

います。10月頭までは比較的天気が良く、葉物などが予定より早めに育っていました。とこ

ろが、10月上旬から始まった長雨で、もう畑はぐちゃぐちゃ。野菜の生育も一気に鈍化しま

した。

 一昨年、昨年とお盆過ぎから9月中旬にかけて長雨だったのが、今年は長雨が無く、「葉

物が早く育っちゃったよ」とある意味、ニコニコだったのが、一転しての雨続きで、「もう

雨はいいから何とかしてよ」に変わりました。最後には「ほんと、しょうがないよ」とみん

が同じことを言うようになりました。

 その結果、9月頭に種を蒔いた野菜は早く出来あがり、続けて出荷する予定で蒔いたもの

が悪天候で生育が遅れ、続けて野菜が出荷出来ず、いったん間が空いてしまいました。

 そして長雨で畑はドロドロになり、葉物も洗わなくてはいけなくなったり、特にこの辺は

サツマイモの大産地なので、サツマイモを掘りたくても掘れない農家さんが、小雨で決死の

覚悟で掘ってはみたものの、トラクターが畑に埋まっちゃって動けない、なんていう風景も

見受けられました。

 そして台風が来たことで、葉っぱは振り回され、葉先がすれて黒くなり、そこから枯れあ

がっていきました。塩害ということも言われていて、これを「葉っぱが泣いているというん

だよ」とある農家さんが教えてくれましたが、「私も泣いているんだよ」と苦笑交じりに話

していました。まだ小さな苗で生育中のものも台風被害で痛みが出たため、小松菜は1週間

ぐらいは出荷が休止になり、ホウレン草に関しては12月中旬まで出荷が出来ない、という被

害が出てしまいました。

 お客さんからは「ホウレン草は無いの?」と聞かれますが、出したくても出せないのです。

お客さんも大変でしょうが、それ以上に出荷をして初めて生計が立てられる農家が今回の被

害に一番泣いています。

 11月に入ってからはようやく天候は落ち着いていて、ほっと一息です。さあこれからは霜

が降りる前に遅れていた作業をやり切るため大忙し。特に、サツマイモや里芋などは霜が降

りる前に掘り上げなくてはいけませんし、生姜も冬が本格化する前に収穫を終えて室に入れ

なければなりません。かつてないほどの10月の悪天候という長いトンネルを抜けて、晴れ間

が続くと思われる11月。最後の冬仕事の時期です。

 

                  おかげさま農場・片岡弘充

 


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