(産地の声) vol.1736 一老農のつぶやき 2026.2.11
急な雪に翻弄され、野良仕事はできなくなった。
続いて久しぶりの雨が降り続いている。畑は乾燥が続いていたのでいい雨だったようだが、当家の田んぼの暗渠仕事は中断となってしまった。
暗渠仕事はいわば土いじりの土方仕事そのもの。土方仕事は、土が水分過多だと良い仕事ができない。泥いじりになってしまい、どうしようもなくなる。この具合だと天気が回復し、1週間くらいはおかないと仕事始められない感じがする。
よく聞かれるのだが、秋の収穫が終わり春まで仕事がないように思われているようだが、実際はそうはいかない。特に中山間知的地勢で、湿田の田んぼは、手入れをしなくては始められない。
畦の修復や、排水路の整備などに結構な手間がかかるのだ。体力も必要なのだが老齢の身なので、重機を使う。通りかかった知り合いに「まるで土木工事だね!」などと言われる。まだまだ植え付け準備になれそうもない。
こんな季節の選挙だったが、その与党圧勝結果に驚く。どの政党ということではないが、それなりにバランスのある政治状況=緊張感のある政治状況が好ましいではないのか、と思う。と同時に今日のTVで第一党の投票率が26%なのに8割の当選率という選挙のありようにも驚く。そんな選挙政治が民主的政治なのだろうか。
私は政治不信者だ。どの政党も選挙の時だけは大声を張り上げ主張するが、その後はコロコロ変わる、或いは好き勝手に言い訳しながらやっているように思えるからなのだが。農的世界から見ると嘘ばっかりとしか思えない事が続いてきた。
食糧自給率を50%にという政策を20年以上やってきたのに実態は進まず、先進国で最低の自給率に甘んじてる。世間もマスコミも農家は補助金付けだなどと言ってきたが、実は時給百円の稲作農家の実態を顧みようとしなかった。
前にも書いたが、養老先生の「日本が心配」にあるようにあと10年後くらいには東海、東南海地震が必ず来る。震災に備えようという論調はなかったようだが、あと10年後は農村に農家がいなくなる。誰が食糧を確保するのか、一層の危機感を持っているのだが、今回の選挙ではそうした危機感が全く感じられない。
人間の命は食べ物が足りてこそだ。軍事の危機感より、食の危機感の方が優先すべき事項ではないのか。木は根っこが十分張ってこそ雨風に耐えて生き続けられる。農的世界は人間社会の根っこのようなものと思うのだが、世間はそう考えていないらしい。農の世界から見るとそういう現状に危機感が募る。おかしいかなあ。
byおかげさま農場・高柳功
