(産地の声)vol.1722 一老農のつぶやき 2025.10.29
秋の取り入れが終わり、秋から冬へと急速に進んでる。
今月の初めまで夏日などと言ってたのに、急に気温が下がってきて冬支度の様相を呈している。秋がなくなってきている感が強い。
お米も刈り取りが終わって、すぐにやれればいいのだが今日ようやく乾燥機の点検掃除が始まった。後始末がまだ終わらないのだ。
刈り取り収穫には結構な機械が使われる。コンバインから始まり、運搬用コンテナ、そして乾燥機、籾すり機、石抜き機、選別計量機、その他諸々とある。稲刈りは、ゴミが出るので使用後の掃除、点検が結構な仕事となる。
季節だけの使用なのだが、次の時までにきれいにしとかないと、ネズミが入ったり虫が湧いたりと結構気を遣う。それぞれの機械も結構な値段なので大事に使い、経費倒れになってしまわないようにしたい。
今年の取れ高は我が家では、例年とほぼ同じだった。ただ、お米の値段をどうするかは悩むところだ。有機米を学校給食にということで、協力する事になったのだが、私の提示した値では安い!という。「将来を担う子供たちなのだからいいんですよ」といったが、市役所の担当は「安すぎます」という。
仕方ないので、そちらで決めてくれといって、我が輩の思いとは少し高めで決める事になった。この地の平均買い取り価格が上昇し、釣り合いがとれない、ということらしい。
それにしても、お米の議論は相変わらず、値段のことばかりが新聞、TVを賑わしている。こういう議論をしているのは、先進国では日本だけのようだ。
今度の新農相は論点が違う感じがする。需要と供給で決まるのならば致し方ないことだが、価格論ではなく如何に国民の食糧を確保するか、それ以下でもそれ以上でもない、という。そこから始まるというのだが、どうなるのか。
ところで、トランプ大統領が来日したが、高市首相の発言にそれでいいのかと思うところがある。卑屈なまでにトランプ大統領に追従しているのではないか、と思えてならない。田舎者の目から見ても防衛費の増強を外国の大統領に約束し、何を言うかと思えばトランプ氏をノーベル平和賞に推薦するなどと言ってる。
平和を願うならば、軍事費の増額は矛盾するのではないか。また、日本の首相ならばまずは、日本国民に図るのが順序ではないのか、などと思うのだが。まずは、貧しき者も食足りて、ということに力を尽くしてほしいと願う。
おかげさま農場・高柳功
