(産地の声)vol.1711 一老農のつぶやき 2025.8.13
トランプ対策という騒ぎとは一体何なんだ?
「関税を課す」というならそうなのだろ。そのことに交渉の余地はあるのか。・・・米国の政策がそうなったなら、そういうモノだと受け止めるしかない、と思うのだが。
なぜならこちらが決めたことでなく、あちらが決めたこと。
どうなろうが、我が国は我が国で生き抜くしかないのではないか。
今日ニュースで、世界のトヨタは40数%利益が減ると言うが、その程度なら少し我慢すれば(トランプの在任期間4年)持つだろう。
なんと言っても赤字になるわけではない。利益が減るだけで利益は出るのだ。損をするという話ではない。赤字で続けてきた稲作農民のことを思えば、と思う。時給10円であろうと、命を守るお米を作り続けてきた稲作農家を思うと、まだまだ余裕があるではないか。
この国の政府が、そういう世界一利益の出ている企業群のためには全力で支援、交渉をするということに違和感というか、何なのだという感を強く持つ。
命を守る産業(この場合、稲作農家)には、時給10円と言われる迄ほっておいて、かつ未だにその成果である「お米の値段は安くて当然」、というスタンスを持つ政府と国民!
今日のTVの車の宣伝に、エコ車には50数万円の補助金が、という字幕が流れている。年間一人50kgを消費するお米は5kg5千円として、年間5万円という計算だと、購入者一人米代10年分の税金が投入されると言うことだ。
しかも、そのお金の流れを見れば自動車屋さんに流れる。
命を守る仕事に対しては、より安くとしか考えず、利益上がり続ける自動車産業には、利益が少なくなって困る、という世論に、この国は何なのだろうと思う。
当ムラでも稲刈りが始まった。お米の値段は昨年より上がっている。でも、農家が値段をつけているわけではない。農産物は、需要と供給という中で値は決まると言われている。その通りで、農家が値段を決めることのできない稲作=コメつくりは今も続く。。。
いいように翻弄されてきた農民は、稲作後継者には絶対にさせない、という決意を持っている、というのが現場の姿のように感ずる。どうなってしまうのかな。
おかげさま農場・高柳功