(産地の声)vol.1710 一老農のつぶやき 2025.8.6
昨日は、施餓鬼会だった。お寺の役員をしていることもあって、連れ合いと2人でのお手伝いをしてきたのだった。もう一人の相方と受付や、接待がその役目。
暑い日だったが住職が気を利かせ、クーラーを効かせ本堂の準備をされた。
お施餓鬼は、檀家にとって先祖供養の日でもある。先祖があって自分がある。先祖のおかげで今の自分の命がある。先祖に感謝し、あの世でも安寧に暮らせるようにと願ってする会です、と住職は言う。
-仏教では、私たちの行い(業)によって、いのちが生まれ変わる世界を「六道」といいます。その中には、地獄や餓鬼といった苦しみの世界もあります。この餓鬼道に落ちてしまった存在に、食べ物や飲み物を施して供養するのが「施餓鬼会」です。と、宗派の説明文にあります。-
仏教というと難しく考えますが、我が家では、毎日ご飯を炊いた朝に、お茶とご飯をお供えする。同時に神様と恵比須大黒さま、台所の神様である荒神様にもお供えする。もはや日常の事になっている。それぞれの神様は、真っ黒の代物なので百年以上は経っていると思われる。
じいさんやばあさんに聞いたこともあるが、「いつ頃の物か分からない。昔からあった」というが、じいさんの生まれは明治31年(西暦で1898年)なので、更に昔と言うことだろう。代々ずっと続けてきたことが今に至っている、ということか。
思うに、人は、先祖なくして今はないし、いろいろなご縁があってこその今のいのち。卒塔婆には、刻みがある。住職に問うと「五重塔ですよ」と。「いろいろな意味付けはあるけど、五段になっているそれは、大地、水、空気、風、太陽といった人間には操作できないものを表す。そのおかげで私たちのいのちがある」興味深い解釈だと思う。
回向が終わり、参会者には寺からおそばの提供もあって散会となった。
話変わって今日は広島原爆投下80周年。TVでは爆心地500mで生き残った78人の証言特集があった。14万人も亡くなった爆心地での証言は貴重なもの。
湯川秀樹博士も地球上から核をなくそうと世界中の科学者に呼びかけ、広島の実態を広めて核廃絶に奔走された。核廃絶も悲願だが、戦争の廃絶も求めよう。
地球上の生き物の中で、同族同士が殺し合いをするのは人間だけだ。利他的利己心という生き方があると言うが、お布施の心=他者に対する施しの心をもってすれば世の中平和になるんではないか、などと考えるのです。
byおかげさま農場・高柳功