色々あります

(産地の声)vol.1709 一老農のつぶやき           2025.7.30

 猛暑が続く。ちょっと動いただけで汗が吹き出す。

 TVでは、40度超えがでたというが、日本だけではない。アメリカも40度超えし、1億2千万人を超す人々に警告しているという。ヨーロッパも干ばつと山火事で、地球的レベルの異常気象。間に合わないかも知れない。

 

 当地もちょうど稲穂が出揃う時期となった。開花前後2週間は稲にとって水が欠かせない。稲に限らないが、全ての作物=植物にとって、最も水を必要とする。実をつけるものは水が必須の条件なのだが、新潟や宮城などの干ばつは、フェーン現象などもあってこの上もなく心配だ。同じ農仲間としてとても気になる。

 たまたま台風9号が東海、関東に向かっているが、向きを変えて日本海側に行ってくれれば雨が期待できるのだが、日本列島の中央には山脈が走り、山越えするようだと雨は届かない。温暖化は、干ばつと洪水の連鎖が続く。

 我が家もちょうど開花時期となって、一斉に穂を出し穂揃いの景観を呈している。娘が管理しているのだが、「乾ききった田んぼを何とかしないと!」とポンプがけに走り回っている。だが、焦っている時ほど不都合なことが起こる。

 ポンプのエンジンがかからない。モーターは動くけど水が上がらない。用水のホースが足らない、などなど。そのたび声がかかり何とかするのだが、この暑さで身体の方が、まいってしまいそうだ。

 朝方、肥料屋さんが来てお茶をする。農家回りをしているので、「これでコメが上がって農家の様子はどうかね?」と聞いたが、「昨年の米騒動の値上がりがあっても、やる人は増えないですね」 「むしろ、やめていく人が多い感じですね」という。

  お米の値段だけが議論になっているが、この国の人は農業そのものが危機的状況になっていることに関心を持たないのはどうしてだろう。田んぼも畑も最初は休耕地になり、2、3年で田畑は荒れて、人間の背丈以上に草木が繁茂して、荒れ地化する。

 政治家も評論家も何とかできるだろうと安易に考えているようにしか思えないのだが、あまりにも現場、現実を知らず論じている。そう簡単にはいかないよ!。

 この天気で気が進まなかったが、大豆の種まきをした。芽がでるだろうか。娘がお味噌つくりができないと困るからと種まきをしたのだった。

 目の前のやることが多すぎて頭が大混乱しているような気がする。

                                        byおかげさま農場・高柳功