(産地の声)vol.1707 一老農のつぶやき 2025.7.16
ここ三日雨が続き、夏日とは違って身体は楽になったが、仕事が進まない。
空き畑は乾燥が続いて草もおとなしめだったが、この雨で一斉に雑草の繁茂が著しい。たった三日で草丈は伸び、密生する様は恐ろしいほど。我が家の前の畑は、粘土質の畑なので雨が多いと泥田のようになって、畑に入れなくなる。なので雑草退治しようにもできない。
猛暑続きで、ハウストマトの被害が出ている。40度などの高温になると、果実が高温やけを起こす。水分不足もあるのだが、潅水すると今度は実が割れてしまうのだ。やりようがないというトマト農家の声が届くが、我が家のミニトマトも限界が来ているようだ。しかも高温に強い害虫が出現し実をかじり始めた。
トマトの生育適温は25度から30度くらいだといわれるが、35度40度を超すと危険領域となる。ジャガイモは15度から25度くらいが適正の範囲。だから北海道の気候にあっていて産地となる。当家のジャガイモは例年の半分以下の収量だった。
後半の雑草の繁茂もひどかったが、掘ってみると高温障害だろう。腐りや痛みがひどく、掘りながら半分以上畑に捨てる状態だった。娘と孫と仕事したが、最後は口も聞かず終えた。
おかげで我が家の食材は、出来損ないのジャガイモ、過塾のミニトマト、傷もののナス、Cの字のキュウリなどで、毎食「もったいないからね!」と連れ合いが言いつつ食卓に並んでいる。
それでも旬の野菜を食べることが本来の食のありようだと思う。夏には夏の野菜を、と言うことは夏に生命力を発揮するものを食べる。無着先生は、「正しい食べ物は?」との問いに、「生きているものを食べることです!」と言われたが、その通りだと思う。
食事は、栄養を取るためと言うだけじゃなくて、生命力を戴くということにある。地球上のあらゆる生き物は、その時々に生きているものを食べて命を全うしている。(ハエや微生物の分解者は土に返す役割で生きているが)
夏野菜の主流は、キュウリナストマトなど生りもので、冬野菜のように大根やキャベツ、白菜のような大型野菜ではない。葉物も夏に強いモロヘイヤや空心菜など、ちょっと炒めたりして食べる。シンプルにしっかり食べよう!
気温の高い季節は、生鮮物は傷みやすい。気をつけて荷つくりしていますが、問題があったら、お知らせください。
byおかげさま農場・高柳功