(産地の声)vol.1705 一老農のつぶやき 2025.7.2
真夏日が続く。そんな中でも外での仕事が待っている。
ジャガイモの収穫期なのだが、畑に行ってビックリ!。なんと、ジャガイモは見えず雑草の山だった。捨ててしまうわけにもいかず、刈り払い機で雑草を刈り取り始める。マルチ栽培だったのでそのマルチを剥がそうとしたら、とてつもない高温状態だった。すぐにでも処置しないと、と言う気持ちになる。
ひたすらマルチを傷つけながら雑草狩りをする。タデという草を知ってるだろうか。タデは草と言うより枝を伸ばしさながら木のような育ちをする。刈り払い機に絡まって刈りづらいことこの上ない。
このところ雨がないので畑も乾燥し、ときどき土煙を上げながらの仕事なのだった。砂けむりをあげて、真夏の太陽を浴び、気温は40度を超す。
なので、下着から上着まで汗でぐっしょり濡れて、家に帰れば着ていたものを脱ぎ捨て、シャワーを浴び昼飯にありつく。午後も続いて、途中から連れ合いと孫が来て、いくらか気が楽になったが、猛暑は変わらない。
我が家にクーラーはないので、もっぱら扇風機で夏を過ごす。今時クーラーをつけない家はないと言うが、つけようとも思ってないのだ。平均的日本人から見ると変わり者と言われるが、そんなことは気にしないでいる。
そもそも人間は自然の中を生きてきた。人間自体が自然の一部なのであって、その中を生き抜くことに知恵を出し、身体を適応させていくことが大事なのではないか、などと考えるからであるが、どうだろう。
第一、クーラーを必要とするような地球環境を作り出したのは、エネルギーを使い放題使った人間の仕業なのだから、その結果としての猛暑は、それに耐えうる人間生活をせざるを得ないのではないか。
TVでは、熱中症対策でクーラー指導しているが、エネルギー使用で更に気温上昇を招く。悪循環なのではないか。それにクーラー使用で人間の生命力が弱まり、耐暑性の弱い人が続出するようになったら大変だと思うがどうなんだろう。
一方、今の時期、水田地帯は緑一色になる。この地は谷津田と呼ばれる地勢なので、低地は水田でちょっと高いところは木々の緑いっぱいで、ちょうど稲の葉が田面一杯に茂り、緑の絨毯とも言える景観を作り出す。見渡す限り緑に囲まれる。
人間のDNAは、緑の色は安心感を与えてくれる、と生態学者さんが言ってた。都会の人も緑の中にいる時間を持った方がいいと思う。心の修養になると思う。 byおかげさま農場・高柳功