(産地の声)vol.1704 一老農のつぶやき 2025.6.25
成田市も、オーガニックビレッジ宣言をした。国が、農地の25%をオーガニックにしよう、と言う壮大な(しかし困難極まりない)計画を発表した。
その政策に当市も賛同したのだった。しかしながら、無農薬栽培も含めて、市内の数パーセントしか実践者はいない。なので、無農薬、有機栽培者の団体を立ち上げて5年計画で推進しようとなっている。
今日は、農政課が事務局で実践農家を実際に見学し、学び合おうと言う研修会の日だったのだ。人参や、サツマイモの農家、そして小松菜やケールなどの葉菜類の農家、無農薬水田の見学など4軒の農家に訪問したのだった。
無農薬、有機栽培は、何を置いても土つくり。次に一番の対策は、雑草対策に尽きる。作付け外の所は抑草シートを敷き、雑草を押さえ、場合によっては麦を蒔いて(夏作の場合、麦は冬の作物なので暑さで自然に枯れる)雑草を押さえる。
秋冬作は、これからの種まきに備えて畑一面にマルチを敷く。太陽熱消毒と称して、太陽の熱でマルチの中は50度60度の高温にさらされる。よって、雑草の種やら地中の虫を高温で死滅させて、種まきをする。農薬を使わないで自然を利用しての一工夫の農法と言える。
水田は、我が家の場合は雑草対策に紙マルチを敷いての、抑草。その現場を見てもらう。(現実は完璧ではないのだが。)もう一人の場合は、発酵菌や納豆菌を使っての抑草技術、そして田面をかき回し除草機を使っての除草など、なかなか研究熱心で信念と向上心がなければ取り組めない。
農業は、実践が全て。「百聞は一見に如かず」と言うことわざがあるが、その通り。理屈では済まない。理論と実践、実践と理論のくり返しで経験と勘で、身につけるしかない。天候も違うし、田んぼも一枚一枚条件が同じと言うことはない。なので、評論家のようなわけにはいかない。何より自然を分からないと取り組めない。
今朝、出がけに長年の農家仲間の来訪あり。またコメの話になった。「おかしいよな!コメが4千円5千円と言うけれど、農家の売り渡し価格の倍以上になってるな」「どこで値上がりするのかな」「農家はいつも損な役割ばかりだけど、コメを扱う業者は、(農家が得しようが損しようが)間違いなく利益をとってるよな」と。
前にも書いたが、ウォルフレンの書いた「人間を幸福にしない日本というシステム」を思い出す。小泉大臣がはしゃいでいるが、安く買った備蓄米だから安く売っても当然だろう。その価格をまぜこぜにして安くなってるというのは、偽証ではないか、などのお茶のみ話だった。 byおかげさま農場・高柳功