夏野菜が出てきました

(産地の声)vol.1702 一老農のつぶやき           2025.6.11

 そろそろ夏野菜ができてきた。今回は、キュウリが登場する。来週の宅配に、ミニトマトやナスも間に合うかも知れない。懸念するのは、天候だ。

 

 夏野菜は太陽と気温がものを言う。曇ったり、気温が低いと途端に成長が抑制される。予定通りになるか、ならないか、分からないところが困るところだ。

 我が家ではぽろぽろ取り始めたキュウリやナスを食べ始めているが、夏を食べている感がする。塩もみのキュウリ、ナスの油炒めをしての味噌味などが美味しい。ナスはいろいろな料理ができるので、連れ合いに注文をつけて時には、味噌汁の具にもしてもらうが、これもいい。

 私は古い人間だと思うが、男子厨房に入らず、で台所に立ったことはない。台所は、連れ合いの役目で、現代人からすると封建的だと言われそう。だが、食材である小麦粉や菜種油などを調達するのは我が輩の役目なので、いわば分業的だとも言えるのではないか、などと勝手に思っている。

 それにしても、主婦の器量はたいしたものだと思う。庭先にある食材を見つけ?それで何とか調理してしまう。家族が不満を持たない程度に調理するのは中々の器量ではないか、などと関心する。

 現代の人達は、レシピが先だ。昔の母ちゃんは食材から料理を考え作る。その違いは何だろうか、などと考えてしまう。

 食事はおまかせだが、時には野草が出てくる。見たこともないものが天ぷらの具に、スギナやヨモギ、イタドリやユキノシタなどが食卓にのる。たまにはいいと思うが、農村に住んでいるからと言っても何でも良いとはいえない。

 普通に、「それなら、タマネギもあるじゃない!サツマイモもジャガイモもあるじゃない」と言ってごねるのだが、おまかせなのでそれ以上は反論できない。

 ところで、またお米の話だが、テレビを見ると延々と続く価格論には閉口する。雨が続きお米つくりの仲間と話したのだが、「結局、これまでの仕打ちを思うと、全てのしわ寄せを農家に負わせてきた。先行きは全く分からないと思っていた方がいい」 「この50年の歴史を考えたら次の人達にやれとは言えないな」と。

 「ウソばかり。減反政策をやめたと言うけれど、今年も今までと同じ割り当てがきてるよ」「稲作農家を守ってきたと言うけれど何を守ってきたのか。米価は30年で半値になり、俺も息子にやれとは言えないな」と。小泉大臣も威勢のいい事やってるけど、農村から見ると茶番のようにみえる。

                    おかげさま農場・高柳功