(産地の声)vol.1672 一老農のつぶやき 2024.11.6
ようやくと言ったらいいか、猛暑を忘れられる天気が続くようになった。11月7日が立冬の日で、早くも暦の上では冬になるという。
我が家は夏野菜の担当なので、今はその後の片付け仕事が続いている。トマトやナス、ゴーヤ、空心菜、モロヘイヤなど片付け仕事も結構な仕事量となる。
同時に、結構冷え込んだのでそれほど雑草は伸びていないと思っていたが、それが現地に行ったら畑が一面青いではないか!よって、慌ててトラクターを持ち出し耕耘除草。ロータリー耕ぎりぎりで草がほぼほぼ隠れた。
ところで、3日の新聞では神宮外苑の開発で、木の伐採が始まったというが、東京の緑被率が9%から7%に下がったという。緑はヒートアイランド現象を押さえる。
というよりコンクリートやアスファルトは蓄熱し気温上昇をもたらす。ここ百年で東京の平均気温は2度から3度高くなったというが偉い人たちはそれをどう考えているのだろう。そうでなくともCO2による温暖化が地球的問題となっているのに、よほど金儲けがしたいのだろうか、などと思ってしまう。
昔のことで欧州を旅した時だったかで、聞いたこと。イギリスにはハイドパークという公園があって、東京の都市つくりに対して異論を聞いたことがある。それは、都市の中に緑がなさ過ぎるという指摘だった。ロンドンには8つの公園があってその内の一つがハイドパークと呼ばれる公園で広さは2カ所で250ヘクタールもあるという。神宮外苑は72ヘクタール。
人間が植えたから人工物だという人がいるが、それは違う。ビルは完全なる人工物だが、木々や草花はその環境を自然に委ね成長する。つまり人間の都合でその緑の環境はつくれない。
最近連れ合いと話すのだが、人間は面倒くさいな。文句を言ったり不平不満をもったり、時にはだましたりする。けれど木々を見ると、ちゃんと務めを果たす。太陽がでれば休みなく光合成をして成長する。そして、CO2を吸収して酸素を大気に放出し、なおかつ鳥や獣を含めて他の生き物の為になってる。
人間の欲望は限りなく続くけど、自然界の生き物は自らも生きるけど、他の生き物も生かして成長を続けている。我々の住まいだってそうした木々のおかげですむことができているのだから、、、、。などと語っているのだがどうだろう。
自然がなければ人間は生きてゆけない、という師匠の言葉を想い出す。
おかげさま農場・高柳功