孫娘の小文

(産地の声)vol.1653 一老農のつぶやき           2024.6.26

 今の季節は、毎日が草との戦いの様相をていしている。田んぼの畦は、雑草が稲間に侵入しかけているし、畑のジャガイモは畝間が雑草の山となっている。TVでは、熱中症に注意などと盛んだが、こちらは熱中症どころではない。

 毎日、畝刈機と刈り払い機を軽トラックに積んでの日々。機械を使うが、見た目より仕事はきつい。それこそ、汗びっしょうりとなる。

 

 そんな中で、大学に通う孫娘が小文を書いてくれた。専攻が国文学と言うことで書くことが好きのようだ。以下、我々の様子を少々!

<老農の孫娘のつぶやき>

 最近は雨や曇りの日でも暑い日が増え、冷房がつき始めています。かくいう私も普段冷房が苦手と言いながら、涼しいところで仕事をし、真夏には図書館に逃げ込むことも、、、。

 しかし私の母と祖父母は、今の時期から汗だくになって農作業にいそしんでいます。汗ペタペタの私は、汗ぐっしょりの祖母と帰り道に合流し、「ただいま」「お帰り」「おつかれさま」を言い交わします。

 家についてまず一息。帽子を脱ぐと祖母の髪は額にべったりと張り付いて、全身水を浴びたかのようです。だから時々、くたくたの祖母に聞きます。「農業好き?楽しい?」と。するとどんなに疲れても、汗びっしょりでも、どろんこになっていたって、同じように目を輝かせて、「好きだよ。楽しい」と答えるのです。

 ただ仕事と思って義務感や使命感だけでやっているのではなく、楽しんで仕事をしているのだな、とそのたびに分かり、二人で「疲れたね!」と言いながら、やわらかな希望を感じて、とりあえず夕飯をつくる元気が出るこの頃です。

 以上。

 孫なりに感ずるところがあるようだ。

 ちなみに我が家はクーラーを使わない。昔ながらの家で、戸を開ければ前から裏まで風が吹き抜ける。我が家は自然派なので、不自然になるテクノロジーはなるべく使わないようにしている。扇風機はあるが。

 その昔、法隆寺の管長さんが言ってたこと「一得一失」すべてのことは一つ得ることはによって一つ失う、と。クーラなどで快適な環境にすむと、人間の耐暑性は失われる。となるのだが、どうだろう。もちろん程度問題もあるが、、、。

などと考えたりするのはおかしいかな?

                     おかげさま農場・高柳功