蛙の合唱

(産地の声)vol.1592 一農家のつぶやき。         2023.4.26

 蛙の合唱が始まった!

 どこで誕生するのか、不思議に思える。昔は水たまりがあちこちにあって親ガエルが細い管のようなヌルヌルした細長いとろみのような中で卵が産み付けられていたが、見かけなくなった。それでも確かにいる。

 

 夕方、田んぼ近くに行くと間違いなく蛙の大合唱が始まっているのだ。その時を待っていたのか、水を入れ代掻きが始まると、田んぼの中のカエルや水中の虫を狙って、アオサギやカラスが田んぼに舞い降りてくる。

 彼らにとっては人間も代掻きも自然現象なのだろう。代掻きするトラクターの近くでうろうろしていて逃げない。泥田から這い出る生き物を狙っているのだ。トラクターがくれば獲物が見つかることを知っているようだ。

 トラクターが動き出せば生き物が泥から這い出す。アオサギは獰猛で、カエルがいればヘビもでるが、そのヘビもアオサギにとっては獲物だ。棒きれでも加えているかと思ったら、ヘビを加えて空に飛び上がっていたのだった。

 ツバメも来た。カラスやアオサギは獰猛だけど、ツバメの飛翔の姿は優雅だ。スーイ、スーイと流れるように舞う。

 食と命の教室に参加した皆さんが「お手伝いしたい」と希望者が来てくれている。土に触れたい、と言うことらしい。今は田植えも機械仕事で、手植えと言うことにはならないので周辺の整地作業などやってもらっているが、それでも一所懸命に田んぼを嬉々と動き回っている姿は微笑ましい。

 休憩時間には土手に座りお茶をする。野良の真ん中で周囲の景観を見ながら、四方山話するのだが、そういう時間がいいらしい。新緑の森に藤の花は咲き乱れる様を見て、「いいですねえ、観光地の藤棚よりもダイナミックです!」などという。

 私は田んぼが忙しいのだが、田んぼをやらない畑農家が野菜を作ってくれている。おまかせセットも何とか維持できているが今週あたりから、春キャベツもできてきた。春野菜はボリューム不足感もあるが初々しい感じがある。野菜類は血液をきれいにする効果もあるようなので工夫して食べてほしい。

 春キャベツは冬キャベツと違って柔らかくてシャキシャキして美味しい。新規就農者のK君がいろいろな野菜に挑戦しているので。是非ご笑味あれ!

                                                                            おかげさま農場・高柳功