食べ物で生きている

(産地の声)vol.1583 一農家のつぶやき。         2023.2.22

 先週トマトとナスの種まきを終えて育苗ハウスで育苗が始まった。

 寒が明けて暦の上では春になったのだがまだ寒さが続いている。けれど何が違うかと言えば日の強さだ。1月と2月の太陽では強さが違う。周りは寒さが強いとは言え育苗ハウスの中は油断すると温度が上がり、ほっておくと40度近くになる。

 

 一方、日が照りつけると床土が乾いて太陽がでる日は毎日水掛けすることになる。トマトやナスは芽が出るのに時間がかかり、その間、水分状態を発芽に支障ない状態に保たなければならないので、気が抜けない。

 今週のお任せセットには長ネギがありますが、ネギ類は鎮静作用があるという。夜寝付けなかったりイライラしたりする症状がありますが、そうした場合、ネギの鎮静作用で気が収まるという。また仲間は咳が出たり風邪気味の時は刻んで手ぬぐいなどでくるみ喉に巻いておくといいよ!などという効果もあるそうな。

 食養生というか、食べ物の食べ方として「まごわやさしい」と言う健康食のことを教えられたことがある。食材の語呂合わせなのだが、「ま」は豆類、「ご」はゴマ、「わ」はわかめなど海藻類、「や」は野菜類、「「さ」は魚、「し」は椎茸などキノコ類、「い」はいも類など、一日に1回は摂取したい、ということ。

 我が家流に言えば、それに味噌汁やたくあんなど発酵食品が加われば尚いいのではないかと思う。ただし市販のものは、原料や作り方など吟味してほしい。

 味噌など食品工学などと言って1ヶ月で速醸味噌といって十分自然醸造してないものや、丸大豆使用でないものを私は食べない。仲間内では「市販の味噌は口当たりはいいけど飽きてしまう」と言うことをよく話すが、ちゃんと作った味噌は飽きないし、毎食食べて飽きないし美味しい。

 たくあんも今の日本で流通しているのは9割方が輸入品で各種添加物が入っているものが多い。我が家のたくあんは、塩とぬかと色づけにクチナシだけのもので、昔ながらの味で市販のものとは違う。

 キュウリの古漬けも美味しい。夏に作った規格外のキュウリを桶いっぱいに入れ、塩をたっぷり入れて押し漬けして半年。元の量の10分の一になってぺちゃんこになったキュウリだが、塩抜きして刻んで鰹節を少々かけお醤油を少し。これがまた旨い。と言うことで「食は命」。

 TVでは盛んに体にいいものといっぱい商品が宣伝されているが、「人は食べたもので生きている」。食養生という心がけをもって生きたい。

                        おかげさま農場・高柳功