人類の終末時計

(産地の声)vol.1579 一農家のつぶやき。         2023.1.25

 アメリカの科学雑誌が毎年公表している終末時計が、後90秒という。核戦争の危険性を警告する目的で、米マンハッタン計画で最初の原爆開発に参加した米科学者達が創設した。真夜中の零時を人類の滅亡の時として、それにどれだけ近づいているかを毎年公表している。

 

 90秒は過去最短というが、時計が進んだ大きな理由は、ロシアによるウクライナ侵攻を挙げている。戦争は人殺しを唯一正当化する。

 近年の世界情勢を田舎の隅で見聞きしているだけだが、世界は劣化し続けているのではないか、と思える。ホモサピエンスというのは賢いヒトと言う意味らしいがどうだろう。

 地球に生きる人間が、共に携え協力して生きる方へ進むのではなく、権力争いがどんどん進行し、土地を奪い合い、お金を求めて何でもありの経済成長をくり返し、その結果、地球環境の悪化、自然破壊へと進んでいる。

 畑に立ち、田んぼを眺めていると、この大地が人間を生かして入れるのだなあ、大事にしないとバチが当たる。この大地自然に感謝する気持ちが湧いてくる。そういう感覚と今起こっている世界の動きは自分には理解できないのだ。

 のんきと言えばのんきかも知れないが我々ホモサピエンスは紛れもなく、地球、大自然の恵みによって生かされている。人間の技術なんてその大自然の営みの上に築かれた技でしかない。と思うのだがどうだろう。

 多分こんなことを言っていて、何言ってんだ!と言われるのがおちだと思うけれど、太陽、空気、水、そして400万種と言われる生物の豊かさ=そうした人間の生存基盤は人間が作ったものではない。

 TVでは10年に一度の寒気に襲われていると言われているが、この千葉でも本当に寒い。そんな寒気でも、庭先の畑のほうれん草はしっかり生きている。人間の喧噪など知らんと大地にへばりついて葉を広げ厚くし緑いっぱいなのだ。

 その生命力を戴いて我々人間の命がある。というよりその生命力ある植物のおかげで人間の命が保証される。地球大自然に対する畏敬の念を忘れているのではないか、覇権を求めたり軍備増強してその生存の土台を壊すことしか考えられないのは愚かのように思うがどうだろう?

 昨晩は雪が降り始め、今日はさらに寒い日だった。晩には、ご飯に温かい味噌汁、そして肉じゃがの食で一日の命をつないだ。謝!

                        おかげさま農場・高柳功