給食のお話

(産地の声)vol.1570                  2022.11.16

 おかげさま農場の片岡です。高柳場長にかわりにたまに登場します。さて、高柳場長が前回に書いた通り、市内のある小学校の給食調理場からおかげさま農場へ注文が来ました。

 

 決められた予算で決められた時間に決められた規格で納品が出来る業者さんのものを使うのが普通なのですが、「11月は成田市産のものを出来るだけ使う月間で、値段もそれほど高く無いので試しに」という事で少し使われる事になったのです。逆に言えば無農薬野菜を導入しようというわけではないので、単発で終わってしまいそうですが。全国の123の市町村がオーガニック給食宣言をしているそうですが、それだけ未来を担う子供達にとって食べ物が大事だと思うリーダーがいるのは、素晴らしいな~と思います。ただ、私の個人的な意見ですが、給食の一番の問題は「時間が短すぎる事」だと思っています。

 給食は大体20分ですが、前の授業が押したり準備時間を入れると実質10分ちょっとで食べます。食べ盛りの男子はともかく、小学生の低学年、あるは食の細い女子にとっては食べ物を味わう余裕がありません。以前「幼稚園から上がってきた子が無理矢理食べて吐いちゃった」という話を聞いた事があります

 また、学校給食法には色々書いてあるのですが、実現出来ているのは「必要栄養素やカロリーを摂取させる」というところだけでしょう。しかし実際、自然の物は計算上のものとは全く違いますし、そもそも子供によって良く噛む子、丸呑みする子、あるいは体質で消化吸収度が変わるので、計算通りにはいきません。

 給食法の目標に記載されている項目で、「栄養素を取る」の他にも「望ましい食習慣を養う」、「社交性、協同心を養う」、「食生活が自然の恩恵の上に成り立つ事を理解し、自然や生命を尊重する精神を養う」などがあるのですが、わずか十数分で出来るはずがありません。食育こそ命の教育なのに!

ただ、私の頃はパンが多かったのですが、今の成田市は米食の方が多い(しかも成田産100%!)ですし、9月はサンマが1匹出たそうです(残念な事に多くの子が残したそうですが)。地元食材を使おうと出来る範囲で現場は頑張っていますし、結局は市・県・国の上の方の問題なのでしょうね。

 今や家のご飯の方が手作りでは無く買ってきた総菜、電子レンジでチン、というのが多くなり、学校給食の方がまだましな時代になってしまったのかもしれません。ただ、そういった貴重な機会だからこそ、時間を増やしてゆったりと食べること、黙食を止めて楽しく食べること、あと個人的にはご飯に牛乳は合わないので、お茶や味噌汁を入れて欲しいな~と思います。  おかげさま農場・片岡