田んぼの緑

(産地の声)vol.1549  一農家のつぶやき。           2022.6.22

 我がムラの田んぼも緑一色になってきた。遠くから見ると緑の絨毯のように見える。緑の囲まれていると気持ちが落ち着く。

 昔のエピソードだが、中華のお店は赤色に染めるが、赤色というのは落ち着かない色だそうだ。店内を緑色にすると落ち着いてしまいお客さんが居着いてしまう。だから店内を緑色というのはお店としてはさける。そんな話だった。

 

 ということで植えられた稲も早いものは2ヶ月を過ぎ、分けつも増えて必要茎数は確保できたので、中干しに入っている。水を抜いてこれ以上、茎が増えないように(増えすぎると一本一本が細くなり倒伏の恐れがでてくる)、又、秋の取り入れの際に田面を固めるために(ズブズブの田んぼ状態だと機械が田んぼにはまってしまい刈り取りできない恐れがある)中干しがある。

 稲の生長は始めは栄養成長のための体つくり、そしてこれからは生殖成長と呼ばれる段階に入る。丈夫な茎が必要なだけ出揃い、花芽の分化が始まる。次には、草むら状態であった姿が上に向かって茎が育つ。

 茎が育つというのは一節一節ずつ上に伸びて一番上に穂が伸びてゆく状態のこと。見ようによっては、今までは横に広がって育っていたものが、これからはそれらの横に広がった茎が一斉に太陽に向かって 縦に成長する姿になっていくということでもある。

 人間も同じで、ある程度に体つくりができて初めて健康な子つくりができる。

かって豚さんや牛さんなどの肥育にホルモン剤投与があった。女性ホルモンの一種を餌に混ぜる方法が流行った。女性ホルモンは肉質を柔らかくし、抗生物質は効率をよくする。

 その結果、何が起こったかというと小学校一年生くらいで女性の生理が始まってしまうと言う現象である。EUでは20年以上前にそれがわかって使用禁止にしたが、日本は遅れた。アメリカに対する忖度であろう。

 話が横道にそれてしまった。

 日本はどうなるのだろうか。明治から大戦までは欧州の価値観優先で、戦後からはアメリカの価値観優先の国になってしまい、日本人の伝統や文化をないがしろにして、今はグローバル化がさも良き価値観であるような世論だ。ちょっと待てと言いたいのだが、おかしいのだろうか。養老孟司さんは、少しは変わり者もいてもいいと言ってるけど、どうだろう?。

                     おかげさま農場・高柳功