梅雨の季節

(産地の声)vol.1546 一農家のつぶやき。           2022.6.8

 毎日が雨続きで田んぼにはいいけれど、畑には具合が悪い。

 

 植え付けられた田んぼは2ヶ月ほどは水がほしい。ので雨が続くと天水が用水となるので助かる。けれど水管理の要諦は推進3センチ前後を保つと言うこと。

 雨がいいと言っても大雨になると当然水位が高くなる。どんな田んぼも水ノ口(みのくち)と水の出(みので)がある。管理する農家は、水深を保つために水の出を3センチ前後の高さにしてそれ以上深くならないようにしておく。そうすることによって水深の調整をするのだけれど、大雨だと一気に増水する。

 そうなると水の出が崩れ流れ去ってしまうことがままある。ダム決壊の様相になり、せっかくためた水が無くなり田面が露出してしまうのだ。ここ2、3日の雨で一回りしたら5カ所でみのでの決壊があり、板を用意して少々のことでは崩れない対応をする。

 水がほしいと思ったり、もういらないと思ったり、おとなしく降ってくれ、と思ったり農家も勝手なものだ。しかし、人間に自然は操作できない。と自分の中で折り合いをつける。

 畑の方は、雨の中を収穫をしたくないのだけど、注文に間にあわせなければならない。サニーレタスを収穫したのだが、雨のためたっぺが上がって葉に泥がついてしまう。雨がなけれぼそのまま収穫袋つめができるのだが、そうはいかないので、仕方なく泥落としの水洗いをする。

 水洗いをすると、夏場は傷みが早い。高温で少しでも傷がついたりするとそこから傷みが広がる。で、冷蔵庫に入れて予冷をかけ出荷する。品温を5,6度に下げて劣化を防ぐ。特に夏場の葉物は気を遣うのだ。

 幸いというか夏だというのに20度前後の気温なので心配が少し減る。でも問題があったらお知らせいただきたい。

 菜種の刈り取りが始まった。菜種油の自給のためだが、雨模様でかえっていいとも言える。なぜならば実のいった菜種が落ちこぼれないから。乾燥しきってくると刈りながら弾けてしまうことがあるからだ。雨模様の野良仕事は都合がいいこともよくないこともある。

 梅雨入りしたそうだが、梅雨入り宣言の前から梅雨空続きのような毎日が続いている。一休みしたいところだが、作物は待ってくれない6月という季節なのだ。

                       おかげさま農場・高柳