文明の問題

(産地の声)vol.1544                    2022.5.18

 雨が続き田んぼには都合がいいけど、畑にはよくない。私の家の前の畑は雨続きで畑に入れない。入るとズブズブと足が泥にはまってしまうのだ。

 

 私の地方は北総台地の畑が広がりその間を馬蹄形状に田んぼがある。火山灰台地に降雨による浸食=溝ができ数万年かけて谷ができ、そこに堆積してできた扇状地を開墾し、田んぼにし食を得てきた。田んぼの始まりは千年位前というが、だからこそ、そこに集落をつくり人が住み続けることができた。

 そうした中で一番最初にできたお祭りの場が神社のようだ。我が神社は産土神社で近在の10カ村が奉ってきたのだが、神主に聞くと神社の創立は西暦9百年代で千年以上前の歴史を持つ。稲作と神社が村人の命の守り神として存続してきたといえるのではないか。日本中の神社の祭事で、五穀豊穣、天下太平を祈る。人々の究極の願いといえる。命を守る五穀豊穣、争いのない天下太平の世の中はまっとうな人間の願いだと思う。

 しかしながら、今の世はなんということだろうか。ロシアのウクライナ侵略戦争、ミャンマーの軍事政権、北朝鮮の挑発的ともいえるミサイル発射、各国の覇権争いの報を聞くと人間は経済発展とは裏腹に人間の劣化が進行しているように思えてならない。

 戦争は最大の環境破壊だという人がいたが全くそう思う。

 私たち人間は、自然の恵みをいただいてこそ我が命がある。命あることにまずは感謝なのではないか。人間の欲望が満たされることが経済的進歩と思ったら大間違いなのではないか。そのおかげで環境汚染が進み、地球温暖化、異常気象へと地球環境の破壊へと進行しているように思えてならない。

 TVでは相変わらずコロナとウクライナの戦争ばかり。一方で異常気象が進行している。インドやパキスタンでは熱波、スペイン、オーストライラでは大洪水、イラクでは熱波と砂嵐で呼吸困難者が4千人出たという。

 このまま1.5度以上の気温上昇が続くと世界中の珊瑚が死滅する、また永久凍土がなくなる、氷河が溶けてしまう、ということが予想されるという。

 50年以上前になるが、インドのマハトマガンジーが、「機械化文明化は人類滅亡への道だからやめた方がいい」と言われたことを思い出す。目の前の現実。

 キュウリも1mを超し小さなキュウリが10センチくらいに育ち、トマトは3段目の花が咲き始めた。トマトは6段目の花が咲き始めると1段目の実が赤く熟れるようになる。なすも2番花が咲き、季節は夏野菜へと進行中。おいしく育つように。

      おかげさま農場・高柳