(産地の声)vol.1541 2022.4.28
おかげさま農場の片岡です。あっという間に4月も終わりですね。そして4月は春の野草の季節でした。上旬はヨモギやセリを食べていましたが、後半はタケノコ祭りで、あれこれ料理を作りを満喫しました。旬のものを自分で摘んで食べることは、とても幸せですよね。
さて、いよいよ田植えが始まり「本番」という感じで気合いが入ってきます。メンバーからすれば夏野菜の植え付け、そして田植えと、1年でもっとも忙しい時期に入ったわけですが、私は「食と命の教室」など農業体験教室の運営もやっており、田んぼの時期に入ると問い合わせも増えてくるので、一般の方の農に関する関心の高まりを感じます。ここ数年、毎年、参加人数が増えてきていましたが、コロナ禍に入るとさらに増えたな~という実感があります。
今は地球環境とか自然を守ろうといった事を日常会話にも出せる時代に入りましたが、4~5年前までは、そういったことを言う人は一般的には変わり者と見られるのが一般的でした。おかげさま農場メンバーも30年以上も前からそういったことを標ぼうして有機農業運動をやってきましたが、農村では変わり者という目で見られてきました。それがコロナになってからは「自然や農業を学びたい」とか「食べ物が作られる場所を知る事は大切だと思って」と言う方が増えました。今の都市消費社会には無いものを感じたい、といったニーズが顕著に表れてきた気がします。
時代の潮目が都市部中心の消費社会から命や自然溢れる農村に価値を見いだす方向に完全に変わったな~と実感している毎日です。
私は「農には価値がある」と思うのはセンスの問題だと思っています。つまり、自然の中にいると心が落ち着くとか、やっぱり季節があるのは良いな~、といったような感覚ですね。自然に身をゆだねることが本来の有り方だ、といったようなことを思えるのは感性だと思います。そういったセンス、言葉を換えれば生き物としての本能や感覚は、頭でっかちになりがちな近代社会だからこそ、生きていく上でとても大切だと思います。
子ども時代に筍を掘ったり野草を摘んだりと自然と戯れていた人も多いかと思いますが、先日の教室では筍を掘ったことが無い人が半分ぐらいでした。今は幼少の原体験が無い方が増えてきたのかもしれません。しかし、大人になってからでも遅くはありません。是非、農村に出かけてみましょう。
おかげさま農場・片岡