大きく変わった1年

(産地の声)vol.1522                           2021.12.9

 

 おかげさま農場の片岡です。高柳場長に変わってたまに登場させて頂いてます。

 

 さて、1年ももうそろそろ締めくくりとなります。今年を振り返るとやはり「時代が大きく変わった」というのが大きな思いです。以前も書きましたが、地球温暖化の拡大、SDG'sの予想以上の浸透、それによる環境問題に対する意識がこの1年で劇的に日本中に広がったと思います。

 農の現場ではもう10年以上も前から「こんな雨が降らない夏は初めてだ」「こんな暖かい冬は初めてだ」と、今まで何十年も当たり前だった四季が訪れなくなってきた事を口にしていました。しかし、街中の暮らしではそういったことを感じにくいため、例えば、アメリカやオーストラリアのハリケーンや局所的大干ばつ、森林火災、局所的豪雨、といったニュースが流れても、自分事と考える人は少なく、農の現場、あるいは第一次産業に携わっている人達だけが環境激変を感じていました。

 それが西日本、岡山・広島といった大豪雨災害で「本当に温暖化が起きているんだ」と考える人が増え始めたと思います。実際、あの頃にそう言う人にポツポツ出会うようになりました。それでも東日本の人にとっては遠い地域の事のようだったと思うのですが、ドイツなどEUを中心とした温暖化問題の運動が広がり、SDG'sが叫ばれ始め、さらに昨年から今年のコロナによる地球規模の問題に関心が行くようになったためか、「地球がおかしくなっている」という認識が、昨年から今年にかけて劇的に広がったと感じます。

 環境問題を口にすると、3年前では「ちょっと意識高い系の人?」というように変な目で見る人が多く、まだまだ真面目に語れる人は少数派でした。それが今ではTVでも日常的にとりあげられ、多くの方が会話の中で口にするようになりました。髙柳場長をはじめ「子孫が暮らせる永続できる環境を残すため」に有機農業を始めた農家の多くが「変わり者」と陰口を叩かれてきたわけですが、そういった立場を知っている私からすると、本当に時代が激変したと実感しています。

 とはいえ、SDG'sというスローガンが一人歩きしている感はあります。生活そのもの、暮らしそのものを変える事が大事だと思います。私が尊敬する1人、サティシュ・クマールの言葉ですが「まず、食卓から始めよう」があります。その食卓の物がどこで誰がどう作られているかを知ることで、地球の様々な問題に繋がる。食べ物を考える事、とても大切な時代に入ったと思います。

                                                    おかげさま農場 片岡