身土不二

(産地の声)vol.1521                            2021.12.1

 早くも12月です。令和3年もあと1ヶ月で終わりです。先週も書きましたが、冬の野菜は温野菜で食べるのが良いようです。

 TVではグルメとか栄養補助食品のCMがダダ漏れのように流されていますが、いかがなものかといつも思っています。

 

 

 日本という国は豊かな国だと思います。一年中何かしらの野菜が採れます。今直売所に並べられているものをあげると、ほうれん草、小松菜、小カブ、大根、人参、長ネギ、ごぼう、里芋、サツマイモ、ジャガ芋、キャベツ、白菜、カボチャ、春菊、ターサイ、ニンニク、平飼いの卵など食べるに困らないほど種類があります。

 栄養学は西洋から始まっています。その栄養学で学校給食や病院などで栄養計算の上で献立されているようですが、そういう観点ではなく生態学とでも言うのか、生物として人間がどのように食を得てきたかと観点でとらえれば、自らの行動範囲のものを食べて生きてきた、ということでしょう。

 当農場では「身土不二」を標榜してきましたが、案外そうしたことが大事ではないかと思うのです。私が身土不二を学んだのは、四里四方のものを食べるといいということでした。人間以外の自然の動物を見るといい。自らの行動範囲のものしか食べない。食べられないと言うこともあるけど自然の生き物はそうして生きてきて今に至っている、それが自然の姿だと。

 今の日本人は世界中から多種多様な食べ物を大量に輸入し食材にしています。自給率3割という国の人間がその気候に合わないものを食べていると言うことになります。加え化学物質の摂取も気になります。

 かって成人病と言われる病気が今は食源病と言われるようになっています。ガンや脳疾患、心臓疾患、高血圧、糖尿病などが食源病と言われ、かっては罹るという病気が自らがおこす病気の増加へと変遷しています。これは何を意味するのでしょうか。一方で長寿社会と言われるほどの国ですからそんなに心配しなくてもいいのかも知れませんが、どうでしょう。

 我が家は、これまでと変わらずご飯に味噌汁、そして自家で採れた野菜に少々のお魚などで言うところの身土不二の食です。肉類はたまに食べると美味しいですがめったに食べません。 

 いずれにしても瑞穂の国のお米を食べ、旬の野菜を工夫して美味しく食べることに心がけています。

                       おかげさま農場・高柳