霜が降りました

(産地の声)vol.1520                           2021.11.23

 急に寒さが押し寄せた感があります。霜が降り始めました。

 寒さが進むと野菜達が美味しくなります。植物にとって寒さ対策は自らの体に栄養を蓄えることです。少なくなる太陽エネルギーを少しでも逃さず取り込み緻密に頑丈にしようとします。

 

 その結果、糖分始め各種のビタミンなど栄養を詰め込んだ締まった美味しい野菜になるのです。ちなみにこれからの冬場のほうれん草と夏場のほうれん草では栄養面で2倍3倍の違いがあるといいます。

 何より生命力が違うように思います。ほうれん草の旬は今頃からの秋冬から初春頃までです。寒いときが旬なのです。それを夏場に栽培しようとすると農薬なしでは作れません。30度もする温度に耐えられないので病気が出てしまうのです。ほっておくと枯れたりなくなったりしてしまうのです。

 今回の宅配の一部にナスを入れましたが、何故今までもっていたかというとハウス栽培でぎりぎりの温度が保てたからです。ナスの成育最低気温は12度と言われています。零下になる気温だと枯れてしまうのです。

 冬野菜を夏に食べようとすると枯れないようにと農薬散布せざるを得ず、夏野菜(キュウリやトマト、ナスなど果菜類)を冬に食べようとすると重油や石油などを燃してハウス内を10度~12度に保たなければ枯れてしまうのです。

 サスティナブルとか最近ではSDGsとか永続性のある社会を作っていこう!と言ったことが叫ばれていますが、食べ物もそうありたいと思います。

 何より人間も自然界の生き物です。暑いときにはその暑さの中に生命力を発揮するものを、寒さの時には寒さの中で生命力を発揮するものを食べた方が私達の命を支える力になり、理にかなっていると思うのです。

 ほうれん草や小松菜、春菊などはビタミンやミネラルそして大根やサツマイモなどは身体を温めてくれる野菜です。冬野菜は煮たりして(特に根野菜、大根、里芋、ゴボウ、人参、サツマイモなど、白菜キャベツもいいですね)食べると身体が温まります。

 身土不二、そして旬の野菜を食べてましょう。それが生物としての人間の自然な命のありようだと思うのですが、どうでしょう。

                      おかげさま農場 高柳功