害虫話

(産地の声)vol.1517                             2021.11.3

 11月になってしまいました。今月7日には立冬を迎えます。季節は秋を過ぎ冬に入ります。今日は害虫の話しを少し。

 9月、10月は秋真っ最中ですがその季節が害虫?の繁殖時期です。これからの冬に備え越冬するために子孫を残すためでしょう。猛烈に繁殖する季節なのです。

 

 この地で最も作られているのがサツマイモですが、食害で葉がボロボロになります。ネキリムシやコガネムシなど時には畑の脇を通ると大量の虫がわしわしと食べる食べ音が聞こえたりします。

 そのほか青物では、白菜やキャベツ、小松菜、ブロッコリーなどが虫たちのかっこうの餌になります。で私達無農薬栽培の人は増えた虫に対抗するために防虫網という網をかけて防ぎます。一手間かかるのですが一番の防除方法です。

 それが11月を過ぎると虫たちもおとなしくなり食害がぐんと減るようになります。立冬に入る頃になると気温も低下し私達もいくらか気が楽になります。

 とは言っても近年の暖冬化の影響でしょうか、虫たちも結構生き残ることが多くなってきています。思わぬ所で食害に会う機会も出てくるようになっています。

 本当に温暖化問題は深刻です。今回の総選挙で「北海道でも温暖化のおかげで美味しいお米ができるようになってた」などと演説してひんしゅくをかったようですが、ことはそう単純ではありません。

 農的に考えると温暖化も問題ですが、グローバル化も問題です。前にも書きましたが、世界中から農産物が輸入され国内に出回ったおかげで、病気や害虫そして雑草と日本にはなかった生き物が蔓延しつつあります。

 コロナもそうだと思いますが、日本という国は環境的に生き物が住みやすい自然環境のようです。何より水が豊富です。そして気候が温暖で生息しやすい。

 レイチェル・カーソンは「沈黙の春」の中で、自然は食物連鎖という生態系の中で存在してきた。自然界に存在しなかった化学物質を使って生態系を破滅するのではなく、自然に存在する天敵を生かすことなどを訴えていました。

 よく自然を観察し、自然をよく分かって対処するよう提言していましたが、事態はそういう方向に向かわずに化学物質の大量使用になしまっています。

 そのツケは水質汚染や土壌汚染となって顕在しつつあります。後の世代に持続性ある自然環境を残そう!と努力してきたつもりですが中々困難な道のりです。

                                                        おかげさま農場・高柳