天高く馬肥ゆる秋

(産地の声)vol.1514                               2021.10.13

 天高く馬肥ゆる秋、そんな季節です。天高く感じる青空、過ごしやすい気温、そして実りの秋という自然の豊かさ(特に果実など)に出会える季節です。

 この千葉でも梨やブドウ、そして栗や柿などが売り物ではありませんが家々の周りに植えられています。今はブドウや栗は終わり、柿のシーズンです。柿は私の好物なので毎日食べています。

 野菜類も端境期っぽいですが、サツマイモや里芋なども出始めました。変わったところでは時間的に余裕もできてきましたので、自家栽培の小麦でパンを焼いて食べています。

 我が家でパンは主食ではありませんが、輸入の小麦は食べたくないので茨城県の奨励品種を手に入れ栽培、食べ始めました。食と命の教室の皆さんに食べてもらったら「美味しい!」と言ってくれました。

 私達が農業を始めた頃は、国産小麦はパンに合わない。中力粉の品種しかできないのでそれがうどんになって日本食になっているというのです。日本で作れない小麦で給食にはパンを食べさせているというのはどういうこと?といった素朴な疑問を抱いたことを覚えています。

 ここ半世紀でパン食が普及し、今ではお米の消費量を超えたと聞きます。お米の消費量が減るのも無理はありません。輸入小麦で日本人のおなかがいっぱいになればそれも当然です。

 その輸入小麦の残留農薬基準が規制緩和されたのです。グリホサートという除草剤の成分含量がそれまでの5倍多く入っていてもいいよ、というのです。おかしな話しです。いわば農薬も毒です。毒の規制緩和というのはありなのでしょうか。

 そんなことで自家栽培し、製粉所に持ち込んで製粉してもらい食べ始めたのです。パンはお米より面倒な手順を踏まないと食べられませんが、便利になっています。ホームベーカリーという製パン機は、こね、発酵、焼きと4時間かかる仕事を自動で1斤のパンを焼いてしまいます。

 食べてどうかと思いましたが、家族には好評です。訪れるお客さんにも食べてもらっていますが好評です。身土不二、医食同源を標榜する私としては自己満足です。 

                         おかげさま農場・高柳