仕事が重なる6月

(産地の声)vol.1496                                          2021.6.10

 おかげさま農場の片岡です。久々の登場です。まだ6月上旬というのに夏日が続いていますね。私はもちろんメンバーも日々「ふ~、暑いな~」と顔を火照らせています。このままいくと7月、8月はどうなってしまうでしょうかね?

 

 こんな暑い日が続いていますが、6月は仕事があれやこれやと切りがありません。野菜の手入れや収穫などはもちろんですが、一番は「草との戦い」です。一般的な農家は果菜類には殺虫剤、梅雨時や夏場に病気になりやすい葉物は殺菌剤などを使うのが当たり前になっていますが、有機農業においては「旬のものを健康的に作る」ことで、農薬を使わなくても病気や虫はある程度防げています。ところが草はそうはいかないのです。

 メンバーの中には3代にわたって草をとり続けてきたことで、「あいつの家の畑は草が無いよな」という所もあるのですが、そういった家はごくわずかです。やはり、草はとってもとっても切りがないもの。農薬を使う一般的な農家さんは、いまはひたすら除草剤を撒いていますが、その横で有機農業の現場ではひたすら草取りをしています。もちろん草が出ないよう工夫はしていますが、それでも出てくるのが草。雑草魂とは良く言ったものです。

 さらに梅雨が重なると、「水分たっぷり、気温も高い」ので、草にとっては最高の生育環境なのです。ぐんぐん伸びる草に対して、人間にとっては雨降りの日に草をとるのはなかなか出来ません。ということで6月は雨の合間をみながら夏野菜の手入れや収穫をしつつ、なんとか出来る範囲で草を退治するのが仕事なのです。

 ちなみに髙柳場長は、油を絞るために菜種を栽培しています。その収穫時期がなんと忙しい今なのです。先月末に1.7反歩(約510坪)の菜種を手で刈り終え乾燥をさせていましたが、昨日から脱穀を始めています。脱穀といっても機械は使わず「弥生時代式だな」と言うように完全手作業です。ブルーシートを敷いてそこに1枝ずつ手で叩きつけて種を落としていくのです。これがまあ大変なのです。更に小麦の収穫も今なのです。つまり、夏野菜の手入れや収穫、田んぼの見回り、合間の草取りで大変な時期なのですが、さらに菜種の脱穀と小麦の収穫が重なっているのです。本当に髙柳場長はスーパーマンだな~と思います。

 それでも「昔はこれが当たり前だったんだぞ。変な物を食いたくないからな」と、人一倍働き続けている姿を見て、多くの人が感化されていますし、私も日々、自分の生活や生き方を省みながら過ごしています。

                      おかげさま農場・片岡弘充