(産地の声)vol.1492 2021.5.5
まだ田植えの終わらない内にこどもの日を迎えてしまいました。次なる田んぼへ代掻きに行ったら水がなくてできず、でポンプを稼働させて水をくもうとしたらこれが泥が詰まり用水しません。
で、水中ポンプを借りて泥掃除して水の確保です。まだ20数枚の田んぼが残っているので他の田んぼにも水を入れようとしたら今度はポンプそのものが全く動きません。エンジンが焼き付いてしまった感じです。
修理などしている場合ではないので農業資材店に行ってポンプを購入し、取り替えパイプの配管をして稼働できるようになりました。ポンプで水が出るようになったものの今度は暗渠栓がなくなっていることに気づきました。暗渠栓がないと地下水から水がダダ漏れしてしまうので栓がないと田んぼになりません。で、急遽暗渠栓を作りしのぎました。
うだうだと田んぼのことを書いていますが、気持ちは何とか田植えを終えたいと言う焦りがあるのです!ハウスに植えられたキュウリやトマトが育って誘引をしなければならない状況なのです。幸いというか、教室の卒業者の皆さんがお手伝いに来てくれて畑仕事は無事済みました。感謝です。
ところで今年は春の気候が順調と言うことでキャベツや葉物が半値近くとなって、消費者の皆さんにとっては嬉しい、という報道がありました。
こういう報道は度々ありますが、これだけでは片手落ちではないかと思うのは私だけでしょうか?野菜が半値になるということは、生産農家にとっては赤字になると言うことです。
買い手の方ばかり報じて、作り手の方がどんなに大変なことになるのかは報じられない、と言うところに片手落ちという思いがするのです。そうしてさらに農家は減り、後継者もいなくなるということを繰り返してきたのです。
BSで食のクライシスという番組がありました。2030年には食のクライシスが起こる可能性があるというのです。水の問題です。世界最大の食料輸出国であるアメリカは潅水農業でもっています。それが地下水の枯渇で食の確保ができなくなる。ジャガイモがキロ千円とか、牛肉が2万円とかドラマ風に人々が争う姿が描かれていましたが、農を大事にしないツケが回ってくる時代が見えてきたようです。そのアメリカは農地を減らそうと言う政策を採り始めました。どうなるか、食を輸入に頼る日本はどうなるのでしょう。
byおかげさま農場・高柳功