田植えが始まりました

(産地の声)vol.1491                                   2021.4.29

 28日は今年の初めての田植えでした。ムラの最高耕作者である従兄弟は昨日田植えが終わったようです。谷津田のわがムラですが、半分以上が代田から早苗の田んぼです。周辺の木々の緑と田んぼという景観はいいですよ。

 

 最近の田植え機は、効率化という経済主義なのか高速で田植えを行います。見ていると、あんなに早く植えて大丈夫か、と思うほどです。それに比べて我が家は、紙マルチを敷きながらの田植え(紙マルチ専用田植え機)なので速度は彼らの半分以下ののろさです。

 田んぼの条件もあるのですが、あまり早く走行すると紙マルチがうまく収まらないのです。田んぼの泥が邪魔して植え付けられないとか、風に取られてめくれ上がってしまうとか曲がり田んぼだと紙がよれてしまったり、気遣いが必要となってしまうのです。よってゆっくりときちんと植える、ということになるのです。

 初日の準備は、軽トラックに苗運びの台を設置します。これは稲の苗を運ぶ台ですが1段8枚の苗箱が乗り、8段あるので都合64枚の苗が運べます。次に紙マルチですが、紙マルチは原料が紙であり19センチ幅の170mで巻紙となっていて1本約25kgを超え重いのです。

 一パレット45本乗ってますので重量は1トンを超えます。なので軽トラックでは運べませんので普通トラック1.5トン以上のトラックでないと運べません。出荷場のフォークを借りてトラックに乗せます。

 次に田植え機の準備です。エンジンオイルの点検と燃料を確保し試運転です。何せ一年に1回だけ使う機械ですので、まずバッテリーが大丈夫かが一番の心配です。12馬力のエンジンはバッテリーが消耗していては動きません。

 庭先で各部の動きが正常なのかどうか点検です。紙マルチを敷きながら植える作業を機械がするので、紙を抑えるローラーが2種類12個あります。それらがちゃんと回るかどうか、オイルを持ちながら油を差して回転不足にならないようにします。これが田んぼで不都合になると大変なことになります。

 都合1ヶ所ゴロゴロと音がしてまわらず、機械屋さんに電話!「ベアリングがいかれたのでしょう!」と。早速部品を注文しました。今日だけでも動くようにと連れ合いと油をさしさし何とか動くべく奮闘しました。

 準備を終えて、午後3枚の田んぼの田植えができました。一安心です。だらだらと田植えの話しでごめんなさい。日本人の食を担ってきた3千年の歴史を持つ無農薬栽培の稲作りの一端です。         おかげさま農場・高柳功