日本の伝統食

(産地の声)vol.1477                                    2021.1.20

 コロナの蔓延で、コロナ緊急宣言がだされていますが皆さんはいかがお過ごしでしょうか。我が家は先週も書きましたが、相変わらず、しっかり伝統食=ご飯に味噌汁、そして大根や人参、ゴボウ里芋などに少々のお魚、そしてレタス中心のサラダに自前のひまわり油をドレッシングにしたり、ほぼ自前の食です。

 

 ウイルス警戒の中ですが、ウイルスは人間だけでなく植物界、動物界の中にも存在します。私の経験で興味深かったのはヤマユリを栽培の経験です。

 ヤマユリは日本の固有の百合といわれています。その種は今頃の木が枯れた秋冬に山に入り掘り取るということから始まります。ヤマユリは種を取ることができないと言われています。咲いた花から実をつけますが、それを畑に種まきしてもうまく芽が出ず、芽が出ても育たない、消えてなくなってしまうのです。

 それで、山に入り残った百合の枯れ木を目印に掘りとり種としてきました。そして畑に植えるのですが、一番の障害はウイルスにかかってしまうことです。どういうわけか栽培となるとウイルスに感染するのです。百合は鱗片が何枚も重なって肥大します。ウイルスに感染するとその鱗片がばらばらになってしまうのです。また、植えた大きさより小さくなってしまうこともあります。

 そんなウイルスに感染した球根は売り物にならないので、山に捨てます。そうすると全部ではありませんが、ウイルス状態から元気になる様子が見て取れるのです。いかに自然に近づけようとしても人間が手を入れたこと自体が本来の自然から遊離するのでしょう。

 私たちの育てる野菜も同じくウイルスに感染します。また、最近千葉県の養鶏場鶏で200万羽以上がインフルエンザ感染しその養鶏場の全てが処理されています。それだけでなく、養豚場でもウイルス感染で数千頭が、これも全て処理されています。数年前は牛舎への感染で宮崎県ではこれも数百頭が処理されています。

 要するに人間界だけでなく、植物や動物など広い範囲にわたって防御できないほどウイルスは存在するという現実に向き合っています。

 時に識者は、地球の片隅に潜んでいたウイルスが飽くなき人間活動によって掘り起こされ、行き場所がなくなり人と接触、かつグローバル化という地球レベルの広範囲に渡って活動する人間によって拡散が起こっている。と言う人もいます。

 日本人の伝統食味噌汁やお醤油、漬け物という発酵食=自然の力を食に生かす知恵や技が民族の生命力の源なのではないか、我が家のもっぱらの話しです。                       おかげさま農場・高柳功