その1

(産地の声)vol.1452   (その1)            2020.7.8

 「今年は梅雨らしい雨が降る年だな」「これで秋はそんなに来ないだろう」などと仲間内で話していたのですが、とんでもない雨続きが続いています。

 

 しかも九州をはじめとした豪雨が切れ目なく続いています。これも異常気象の表れのようですが、日本だけでなく隣の中国もひどい豪雨が続いているようです。

 九州の被害は、死者、家屋におよび被害の実態が判明しないほどのようです。今これを書いている最中のニュースで、再び(ではなく三度?)九州から関東にかけて線状降水帯が来る予報が流れています。

 ここ千葉はそれほどではないのですが雨続きで仕事が進まず(ぬかるんで畑に入れない)一方日照不足で、夏野菜が成長が進まず、収穫が激減しています。九州のような被害から見ればまだマシと思っているのですが、それにしてもこの異常気象はどうしたことでしょうか。

 地球温暖化に対しCO2の増加が叫ばれ世界的な課題として各国が目標を定め認識?しているはずですが一向に解決に向かっている様子はありません。

 私たちが無農薬栽培を始めた訳は安全な食べ物を!などというのが目的ではなく、むしろ環境問題としての有機栽培、無農薬栽培でした。それは、レイチェルカーソンの「沈黙の春」で指摘された、自然界に対して農薬(=化学物質)の恐ろしさの警告です。かって地球のその存在がなかったのもを人間は作り出してしまった。

 しかもその化学物質が生態系の生き物を絶滅、あるいは生態系を狂わせる、ということが表れ始めたことから、自らが生業とする農の有り様を見直し、30年後50年後を見据えた農法というものをしていかないと負の遺産を子孫に残してしまうのではないか、など議論したものです(3.40年前のことですが)。

 地上にばらまかれた化学物質(農薬)は、回収できない。地球レベルで食物連鎖の系があり、その一員として人間は生きている。生態系の系を逃れて人間は生きることはできない。そして食物連鎖の系の中で農薬をはじめとする化学物質は生物濃縮という形で命を脅かす。別の例で、典型的な例が水俣病です。

 ということで近代農法はいずれ破綻する。ではどうすればいいのか。ということで取り組まれて言ったのが有機農業であり自然農法であり、無農薬栽培だったと思います。いわば地球人として今後に禍根を残さない業をする者としての試みだったと思うのです。(話が飛びましたが、次回に続きます)

                   おかげさま農場・高柳功