アブラムシ騒ぎ

(産地の声)vol.1445                     2020.5.20

 連れ合いが叫んでいます。「キュウリがアブラムシにやられているのよ!」と。でハウスに行って見ると20数本がアブラムシに取り付かれていました。

 

 アブラムシが発生するとその株は葉がちじれ生育が滞ります。アブラムシはアリマキとも言いますが、際限なく樹液を吸いまくります。吸い過ぎて尻から樹液をしたたらせます。その尻からでる樹液を狙って今度はアリが登場してきます。

 最悪の状態はキュウリの木を縮らせて生育停止にしてしまうことです。ですから慣行栽培では薬剤散布をして防除!となるのですが、それでいったんいなくなったとしても再度その殺虫剤に抵抗力を持ったアブラムシが生き残ります。

 で一般的には違う薬剤又はより強力な薬剤をを使って再び防除となります。それでも1%が生き残れば、さらに抵抗力を持ったアブラムシが再生します。切りがないのです。

 しかもその増殖力は半端なく、1週間で子を持ち、その生まれた子はその体内に既に子を宿して生まれてくるのですから、瞬く間に繁殖してしまうのです。やっかいな生き物です。

 で、私達はどうするかというと、初期には、葉裏にたかった虫を手でつぶしたり、感染した葉だけを取り去ったりして処分します。それでも繁殖が続くともうやりようがありません。その株はあきらめるしかない。

 ということで、連れ合いは「どうするのよ!」ともがいていますが、「なるようになるしかないよ!全部がだめになるということではないんだから」と言い捨ててハウスから逃れました。

 隣のミニトマトもアブラムシがついています。数10本植え替えましたが、今月初めの天候で暑さが続き土が乾燥しました。乾燥が続くとアブラムシが発生しやすくなります。これも成り行き任せで行くしかありません。

 慣行栽培のアブラムシ防除の実体を見ているといたちごっこのようです。殺虫剤で退治しきれるかというとそうでなく、その薬剤抵抗性の種が表れ、次の次も同じようにくり返され絶滅はできないのです。

 ウイルス騒ぎも同じで仮にコロナワクチンができたとしても次の新種のウイルスが現れ絶滅はできないという。スウェーデン方式しかなさそうです。抵抗力をつけるような育て方、また繁殖に不利に働くような生存環境を整える、といった知恵と工夫が頼りです。・・・・まだまだ未熟です。

                       おかげさま農場・高柳功