春の作柄

(産地の声)vol.1431                    2020.2.12

 季節は立春が過ぎ早暦の上では春の到来です。いつもなら我が家の庭先にはフキノトウが芽を出し始めるのですが、今年は同じところにある井戸ポンプのタンクが故障し、付け替えをしたため根こそぎフキがなくなってしまい出ません。

 

 昨年の台風でポンプ小屋が吹き飛び配管がゴチャゴチャになりあちこち掘り返したためです。

 春が来ることは嬉しい一面もありますが、法蓮草や小松菜などが急に成長し始め困る季節でもあります。日照時間が長くなり同時に、日に日に日照が強くなりコントロールがきかなくなってしまうのです。

 私の場合サニーレタスを作っていますが3回に分けて12月から2月にかけて植え付けをするのですが、前作は袋に入れるのがいっぱいいっぱいだったのが終わり、次の作に移るところです。そうすると先週までの大きさと次の作柄が追いつかないで小さめになってしまいます。

 春先の野菜はコントロールがきかないところが難しいところです。

 人参などは人によって違いますが、秋まきの人参を掘らずにそのまま畑で置いておくことがあるのですが、立春を過ぎると根や芽が春を感知し始めます。ですから、芽が動き出す前に堀取りして冷蔵庫に入れ貯蔵しないと大変な事になります。一方で、春夏人参の種まきも始まっています。今時の種まきは寒さもあるのでトンネル栽培です。人参の種は吹けば飛ぶような小さなしかも軽い種です。土壌水分も考えなければなりません。

 適当な土壌状態の時に種まきをし、種まきが終わったらすぐにトンネルをかけ風に飛ばされぬよう、しっかりと押さえをして芽が出るのを待ちます。芽が出そろうまで2週間から場合によってはもう少し時間がかかるときもあります。

 今がその時ですから一方で収穫、一方で種まきと天気を気にしながらの忙しさが続きます。サツマイモの育苗、トマトやナスの種まきも始まります。

 1月の天気があまり良くなかったのですが、ここのところ天気続きで仕事がはかどりました。とはいえ明日からまた雨が降るという予報です。もう少し天気が続いてほしいのですがこればかりは人間の意志では変えられません。

 畏敬の念、と言うことがありますが、一方で畏れ一方で恵みをいただくのは私達の宿命のように感じます。いやこれが自然の摂理なのかも知れません。

                      おかげさま農場・高柳