(産地の声)vol.1426 2020.1.8
明けましておめでとうございます。挨拶を交わすのも日本の伝統文化です。
お正月さまに、仏様や氏神様にお供えをあげるのも日本の伝統文化だったのですが、近年そういうことをするのは珍しい存在になってきたようです。
伝統的?文化はすたれ、何人だか分からない国になった感じがする、と言ったら言い過ぎでしょうか。古事記にあるように、日本は瑞穂の国であったはずなのにグローバル化という誰のためのシステムなのか分からない言葉に踊らされ、日本食が世界遺産になったと喜び?ながら、伝統の日本食はもはや分からなくなってしまった国。
お正月早々愚痴っぽい話になってしまいました。自然界の生き物は食べるものが大方決まっていて、コアラはユーカリの葉を、パンダは笹の葉を食べて生きのびてきました。ユーカリが少なくなり笹の葉が無くなり、今や絶滅危惧種となりつつあります。
「食は命」を標榜してきたおかげさま農場ですが、それは人間も他の生き物と同じく食べ物によって人間は生きているというごく当たり前のことを忘れてはいけない、天の恵みによって生かされていると言う感謝の気持ちを忘れないように、と言う思いです。
豊かな自然があればこそ豊かな食が得られる。人間に食べ物は作れない、太陽からのエネルギーを光合成という行為によってお米や麦、トウモロコシと言った植物がなせることで、地球的に見れば人間は消費者の存在でしかないのです。
人間は栽培と称して自分がつくっていると錯覚していますが、実は種としての植物が食べ物を作っているのであってその種が育つ環境が無ければ人間はたちまち命の危険に陥ります。食が豊かになり、豊かすぎて食源病と称する病気が増加しています。日本人の食を支える農家の生産高が10兆円を切り、輸入が七割と言われ医療費は42兆円というパラドックス。
農薬が野菜やお米にとって不可欠であること(と言われている)加工食品に使われる多種多様な化学添加物、そして今度は遺伝子組み換え食品と多様になってますが、ますます人間の食が自然から遠ざかり不自然な食へと進んでいるようです。そしてTPPにまさる協定が発効してますます誰が作ったのか分からない食べ物が日本に流入するようです。地球的異常気象問題も抱えて迎えた新年です。新たな価値観が必要のようです。今年もよろしくお願いします。
おかげさま農場・高柳功