災害の年でした

(産地の声)vol.1425                    2019.12.25

 今年最後の産地の声です。思い返しますと、異常気象の連続だった年でした。異変は7月例のない雨と太陽の出ない日が続いた事から始まりました。6.7月は稲や落花生など植え付けた苗がさあこれから、と大事な成長の時です。

  人間であれば10代から大人になろうとする時です。その時に太陽が出ず日照不足、そして低温という目に遭ってしまいました。(光合成ができない!)

 そして太陽が出始めたと思ったら、今度は猛暑です。体作りが未熟の中で、いきなり経験のない高温にであったのですからびっくりでしょう。体がひ弱の中、出穂開花で実りの時になってしまったのです。

 そして9月に、かって経験のない台風の来襲です。播いたばかりの大根や白菜など芽が出たばかりの状態の野菜は、吹き飛ばされ、そして洪水という水害に遭って全滅する畑がでました。それだけでなく育苗施設からハウス施設が吹き飛び壊滅または破損がひどく、農場の仲間で被害の出なかった家はありませんでした。

 そして私達だけでなく10月にはその後の台風19号が関東一円から東北にかけて通り抜け、かってない暴風豪雨に見舞われ、堤防決壊、土砂崩れが多発、多くの被災者、被災地がでてしまいました。私達もまだ復旧できていませんが、もっと酷い災害の連発でした。

 今日来たお客さんが話していた事ですが「まだここはいい。自分は家を流され住むところが無くなってしまった!」と埼玉の方から来た人が言ってたけど、そう言われるとこっちはまだいい方だよな」と。

 これまでの常識が通じない時代になってしまったようです。地球温暖化問題を自分の問題と認識していなかったとも言えます。私達の生活、人間の生き方が問われる時代になったと言うことでしょう。CO2だけでなく、人間活動エネルギーの使い過ぎが根本的な原因です。

 11.12月。こんな災害があるとどういう訳か害虫が大繁殖します。例年になくほうれん草小松菜小カブレタスと軒並み虫食いの猛攻撃に遭っています。たぶん彼らの住処が水につかったり暴風で食べ物が無くなったりしたので人間の作ったものを求めての大繁殖ではないかと思われます。

 異例ずくめの年でした。そうであれ「食は命」です。食べなければ生きてゆけません。折れてしまった、と言う人もいましたが、なんとか生きるべく縁を大事にして励まし合い助け合って生きて行きたいと思います。

                      おかげさま農場・高柳功