災害の年

(産地の声)vol.1422                    2019.12.5

 おかげさま農場の片岡です。高柳場長が忙しい時期に代筆でたまに登場するのですが、先々週に続いての登場です。

 今年は振り返ると災害の年でしたが、農の世界にいると毎年その度合いが深まっていると感じます。10年程前ぐらいから毎年「こんなに雨が降らない夏は初めてだ」とメンバーの口から出ていました。昔の夏は、3日に1回は夕立が来ました。それが無くなってしまい、干ばつと猛暑が続くのが当たり前になってしまいました。

 そして4年前ぐらいから2年連続で秋の長雨。そして昨年辺りから局所的集中豪雨。といったように、この10年で年々気候がおかしくなってきていましたが、今年は普段は自然と共に仕事をしていない街の人も「地球温暖化」を感じるような災害続きだったと思います。

 昨年冬から「こんな暖かい冬は農家人生で初めてだ」と72歳のメンバーがうなる程の暖冬でしたが、今年に入ると記録的日照不足を生んだ長梅雨で、お米は千葉県はどこも不作。落花生も過去に無いほど実が入らない状態になってしまいました。

 そしてとどめが台風15号です。あの大風でハウスは倒され、ビニールが破かれるのはまだ良い方という大変な事態になりました。また、キャベツや大根、小松菜など台風前に種を蒔いたものはみんな被害を受け、畑によっては壊滅、といった状態に。残ったものも風で振り回され、その後の大雨台風で根がやられ、非常に育ちが悪い状態です。そしてその後も長雨が続き、ただでさえ弱っている野菜が光合成が出来ず、気温が下がりいつもなら虫もいなくなる時期なのに、温暖で虫の活動はおさまらず、虫食いの被害が広がってしまいました。

 今、出荷しているのがちょうど苗が小さい時に台風被害を受けたものなので、葉物全般はどうも調子が悪いのです。虫食いもネットをかけていたキャベツやカブはまだ良いですが、それ以外は大分やられてしまいました。

 それでもメンバーによっては「こんな酷い年は何十年に1回だと思ってよ、みんな頑張っているのだから、俺も頑張るしかないよな」と気持ちを奮い立たせています。

 全く農業を始め自然と共に生きる仕事がやりにくくなってしまいましたが、生きるために食は大切なもの、と心し、みんなで頑張って行きたいと思います。

                       おかげさま農場・片岡弘充