誰のための農業政策?

(産地の声)vol.1403                         2019.7.17

 

 参議院選挙の投票日が近づいています。これまでの政治は率直に言えば、どうも政治家が信用できない感が強いのです。農業のこれまでの現状と政策を見ても嘘が多すぎ、というかだまされた感が強いのです。

 

 農業基本法が制定されて以来、これからは大型農業だと言われ借金をし規模拡大をしたら減反政策が始まり、買い付けた田んぼの分が作付けできなかった、と言う友人がいました。

 当時は田んぼの値段もそこそこで2千万円の融資を受けたのに、その2千万円かけた田んぼの分そっくり作るな、と言うことだった。いったいどうなっているんだ、と怒りの友人のホントにあった話です。

 日本人の食は、穀菜食と言われ、魚は食べてきたけれど肉類はあまり食べない民族でした。それが戦後になりアメリカの余剰農産物の輸入で畜産が振興され、豚や牛そしてにわとり類の肉の需要が急速に進みました。

 農の側からすると国が奨励するからと牛や豚と飼い始めたのです。そうして肉食が増大して国民食になり始めたら、一気に輸入解禁で多くの畜産業者が廃業に追い込まれました。

 柑橘類も同じで構造改善事業と称して西南地方でミカンやの増産運動が起こされ一時は400万トンという生産量を誇った果物でしたが、なじんだところでグレープフルーツから始まりオレンジの自由化となって、これも多くの果樹農家が廃業に追い込められました。

 穿った見方をすれば、あまり食べなかった肉類や果樹類を餌付けし(国内の農家の手で)皆が当たり前に食べるようになったら、アメリカからカナダから自由化と称して輸入拡大し、国内の農家は切り捨てられる。いい面の皮です。

 これが農家が独自にやったというならまだしも、国策という形での奨励、産業振興という事だったことです。

 今農産物の輸出を増やそうと国は躍起になっていますが、12兆円の生産額が今は9兆円と減るばかりです。輸出を1兆円にとアドバルーンを上げていますが、いかがなものかと思ってしまいます。その結果農業という産業だけでなく地方には人がいなくなり、あちこちで(全国的に)荒廃が進んでいます。

 それでいいのでしょうか。数百年数千年かけて田や畑を耕して日本国民の食の土台だった地方を見捨てつつあるのが現状です。これを救う政治家がほしい!

                       おかげさま農場・高柳功