新人、菅野くん

(産地の声)vol.1401                        2019.6.27

 おかげさま農場の片岡です。久々の登場です。梅雨続きの中、火曜&水曜と晴れたので「この2日間が勝負だ!」と畑仕事に集中したいと高柳場長が思ったのでしょう。そんな時に「片岡君産地の声、たまには書くか?」とお鉢が回ってくるのです。

 

 さて、今回はセットにも入っている人参を作っている新人の菅野(かんの)君の事を紹介します。菅野君が農業に関心を持ったのは大学の社会学部で学んでいる時に農村を訪れたのかきっかけだったそうです。「農家の人は知識が豊富で何でも出来てしまう。格好良かったんです」。農家に興味を持ち、自分で調べて色々な農家を訪ね始めた過程で高柳場長に出会いました。高柳場長は農業ボランティアを世界各国から受け入れており、誰でも泊り込みでお手伝いが可能です。そこで菅野君は1週間にも満たなかったのですが泊まりで農業体験をし、ご縁を作りました。

 「高柳さんもそうですが、出会った農家のみなさんは人の失敗にも寛容で、僕もこういう人になりたいと思ったんです」という菅野君。ただ、実直な性格で、未熟な自分がすぐに農家になれるとは思わず、卒業後、3年間は介護士として働きました。しかしその3年の間「農家になってみたい」という思いが変わらなかったため、農業の道に進む決心をしました。

 まずは長野県で高原レタスの会社に住み込みで働き始め、最盛期は早朝3時から19時まで働いたそうです。そこは外国人研修生が労働力として雇われているようなところで、菅野君もひたすら研修というよりは労働をしました。ただ、1年で辞めるのは良くないと思い、冬はスキー場のアルバイトをしながら2年勤めましたが、「この仕事はもうやり切った」という思いに至り退職。その後、成田空港近くのちゃんとした有機農業研修施設で2年間修行しました。そこの顧問の1人が以前訪れた事がある高柳場長だったのです。

 そのご縁で、高柳場長から畑を紹介してもらい、今年の4月からおかげさまに迎い入れられました。独立して1年目。まずは春人参を少し、そして夏野菜のナスとズッキーニの中心メンバーとして汗を流しています。ちなみに昨年出会った方と今年の2月に入籍し家族も出来ました。高柳場長は「人が生きていくために大事な3つがある。1つはどこで生きるか、1つはどんな仕事をして生きるか、1つは誰と生きていくのか。この3つを菅野君は一気に決めたな」と語っています。

 菅野君が作る人参、ズッキーニはそろそろ終わりで、これからはナスの中心メンバーとして出荷を頑張ります。「一生懸命野菜を作るので、美味しく食べてもらえると嬉しいです」と言う菅野君、応援して下さいね。

                            おかげさま農場・片岡弘充