5月の連休は一番大切な時期

(産地の声)vol.1389                        2019.3.27

 5月の10日間のゴールデン連休まであと1ヶ月を切りました。私達農家は、5月のゴールデン週間に連休したことがありません。その時期は、田植えやら、畑作物の植え付け、準備と一年で最も大切で休めない季節だからです。隣の成田空港は、毎年連休の観光客で大混雑と言うことですが、これもどこか遠くの出来事のような感じです。

 

 私達農に関わるものは、四季の移り変わりの中で仕事をします。人間の都合ではなく、作物の都合に合わせて仕事をしなくてはなりません。育苗ハウスには稲の苗や、野菜の苗が育っています。ほっておいたら枯れてしまいます。

 また適期に植え付けをしないと大変な事になります。一年にいっぺんしか穫れない作物にとっては大事な時期なのです。雑草も一緒になって成長をしています。これも退治しないと圃場が大変な事になります。荒れ野になったら困るのです。

 とまあ、連休がどうのこうのは気にせず、我が務めを黙々とこなす季節が始まっています。

 うちの連れ合いは暖かくなると、種まきがマメになります。キュウリやトマトなすなどは販売用ですが、買い物に出かけ種など売っていようものなら、あれもこれもと買ってしまうのです。オクラや空心菜、スイカや瓜、そして夏野菜だからと蒔けるものは何でも蒔いてしまうのです。

 後で、何蒔いたのかと聞くと、「あれ!何だったかな?」などというのはしょっちゅうです。もう年だし、脊椎館狭窄症という病にかかっていて、いわば身体障害者なのだからいい加減にしろ、と叫ぶのですが一向に聞いていないようです。いわゆる馬の耳に念仏、状態です。

 いろいろと種をまいてみたい気持ちはよく分かります。種子会社のカタログなどを見ていると、あれもこれもやってみたいという気持ちは私にもあります。種をまき育てるというのは、面白いものです。

 あのアメリカの童話作家のターシャさんではないけれど、種を蒔きいつ芽が出るか、期待しつつ時間を過ごすのは、わくわくする、待ち遠しい、と言った気持ちになるのです。命が育つ姿は、感動します。吹けば飛ぶような種が芽を出し、成長する様は共に育っているような、そして感謝の念が湧くのです。

                       おかげさま農場・高柳功