土台にある考え方

(産地の声)vol.1388                        2019.3.28

 おかげさま農場の片岡です。高柳場長が忙しく書けない時に代筆していますので、久々の登場です。

 さて、この前の日曜日は「食と命の教室」でした。毎年、色々な背景をお持ちの方が参加されていますが、今年度の参加者の1人で、いわゆる発達障害と呼ばれるお子様を支援している会社のスタッフの方がいます。その方のお話では「食べ物を変えると、子供が変わるんです」と言います。また、「親御さんが変わると子供も変わるんです」とも。「うちの子、宜しくお願いします」と任せてしまう親御さんもいる一方で、親御さんが他人任せではなく、子供と一緒に食べ物だけでなく生活を落ち着いたものにすると、これまた子供達が変わるそうなのです。

 この話を聞いて、一昨年参加されていた生殖医療(いわゆる妊活指導)をされている方が言っていたことも思い出しました。「例えば、妊娠には良質な脂肪も大事なのだけど、今はダイエットなどで脂質を摂らない方が多いんです。そういった食べ物を変える事も大事です。ただ、それが夫婦間で同じ方向を向いていないで食べ物を変えれば良いわけでもないんです。それより、二人が同じ方向を向いてバチっと合った方が、子供が出来る事が多いんです」

 子供の命が宿ったり、子供が育っていく過程で、食べ物も大事と言うことが1つありますが、もう1つ、親が心身ともに落ち着いて生活をすることも大切なんでしょうね。そう思うと、健康のために無農薬の野菜を食べるとか、子供のために習い事をさせる、というのも良い事だと思いますが、それ以上に親がどっしり落ち着いた生活を送っている事も大切な気がします。

 例えば「おてんと様と大地が育ててくれた命を戴くんだよ。そして農家さんにも感謝しようね」と言って一緒に「戴きます」と言って一緒にご飯を食べる親と、「作ったんだから、ダラダラしていないで、さっさと食べなさい!」と言う親では、子供も育ち方も違いますよね。

  こう考えると、「無農薬で安全な物を食べよう」ということだけでなく、「農薬を使うことで自然生態系を少しずつおかしくしてしまい、それが人間も健康的に住んでいけない環境にしてしまう。そういった農業はすべきでは無い」といった有機農業の精神にも通じる気がします。行動するだけでなく、その土台にある考え方、思想、精神も大切なことだと改めて思いました。

 

                                                                                                                                                                                                                        おかげさま農場 片岡