日本食で腹八分目

(産地の声)vol.1376                                   2018.12.26

 今朝の食事。ご飯に味噌汁そして大根のすり下ろしに白魚をかけ、醤油を垂らしたものがおかずでした。一時、粗食のすすめという本がありましたが、大賛成です。

 

 まえに書いた記憶がありますが、私の95歳まで生きた祖祖父は、腹八分で毎日快便、そして昔の便所はボットン便所だったので、覗いては体調を伺っていたと聞きました。

 そして祖父は88歳まで生きましたが、これも決して多くは食べませんでした。亡くなる1ヶ月前まで普通に生活していました。最後は自ら食べなくなり、眠るように逝きました。

 私の父は2年前92歳で亡くなりましたが、戦争で脊椎カリエスにかかり自宅療養をして生き抜いた人ですが、お医者さんに頼ると言うより自らの体の養生をしっかりした人でした。漢方に通じ相談に来る人も多かった。

 3代続いて先祖の食生活を見てきた感想は、みな、食べ過ぎないという事です。ほどほどに食べ、現代風のグルメという風潮に流されず、毎日のご飯に味噌汁というスタイルを堅持し、ご飯や野菜そしてお魚をありがたい気持ちを持って、その素材の美味しさを味わっていたように思います。

 最近再び、福岡伸一博士の「動的平衡」改訂版を読んでいますが、その中で近年サプリメントだとか、何とか栄養材とかが頻繁に出ているようだけど、今の日本人の食事に栄養不足はない、と書かれていました。つまりサプリメントなどいらないのです。ちゃんとした食事をしていれば、という事ですが。

 だいたいダイエットというのは、食べ過ぎの結果です。食わなければいいのです。などと「食と命の教室」で語ってもいるのですが、人間の欲望というのは切りがありません。

 また、私たちは無農薬栽培に取り組んできましたが、化学物質に頼る栽培、添加物にまみれた食品加工物を食べている事の方が問題だと思うのですが、博士も国の基準内ならば大丈夫というが、そうともいえないと言ってます。

 人間も自然界の一員。自然界になかった化学物質が体に入ると言う事は、仮に無害だったとしても、命に必要のないものを選別し体外に出そうと余計な事をしなければならない事になる、と。 やっかいな時代に生きているようです。

 この一年お付き合いありがとうございました。来年もよろしくお願いします。                   

 

                                 おかげさま農場・高柳功