国際有機農業映画祭

(産地の声)vol.1371                                    2018.11.21

 久しぶりに東京まで出かけました。例年だと成田市の産業祭りに参加していたのですが、気分を変えて国際有機農業映画祭というイベントに参加しました。

 

 このイベントは毎年開かれていたのですが、いつも地元のイベントがあって行けなかったのです。思い切って地元をキャンセルしたのでした。

 10時から19時までの長い時間で5本の上映です。長い時間でしたが中々飽きない勉強になるドキュメンタリーでした。

 フランスの作品では、今問題になっているプラスチックのことです。世界中で3億トン近いものが製造され地上で処理されず1%も海に流れ込む。そしてそれらがマイクロプラスチックとなって魚はプランクトンと間違って食べてしまう。また調査したところそのプラスチックに藻が取り付き、細菌など菌類が海流によって世界中を漂流している。

 「狂った蜂」という台湾映画は、ミツバチの大量死を取り上げたものです。地球上の植物の3分の一は受粉して繁栄するものですが、媒介する蜂が大量死する事によって生態系が狂い始めている。ネオチノイド系の農薬の影響だと言われています。EUでは、禁止しましたが日本では使用されています。

 問題は、農産物輸出となる農産物が台湾で検出されるので、国内産は台湾基準でさいばいし、EU向けの場合にはEU基準で栽培しなければ輸出できません。そうしているのですが、国内向けは台湾やEU基準を適用されないで出回っている。そうした事実は市民には知らされないでいます。

 グローバル化という世界経済の動きは、大企業の寡占化へと進んでいます。世界のたねの独占化が進んでいるのです。世界のグローバルな企業が数社で独占し「たねを制するものは世界を制す」などといってはばからない。しかもGMたねという遺伝子組み換え食品の急増ぶり、さらに遺伝子操作をして新たな種の操作が進行中です。

 自然の摂理にそぐわないテクノロジーの暴走は危険に思えるのです。植物の種に、動物の遺伝子を組み込んだり、その反対の操作をしたり、人間も自然生態系の一員である事を考えるとその影響が心配されます。

 アトピーやアレルギー、花粉症、不妊症、奇形児の増加など、すでにテクノロジーが命に対して刃を向けているように思えるのですが、どうなのでしょうか。引き返す事ができない方向にならないよう願うばかりです。

                    おかげさま農場・高柳功