生きた土

(産地の声)vol.1369                                 2018.11.7

 今日は、県主催の「千葉県有機農業者研修会」に行ってきました。当農場からは3名の参加でしたが、県下からは、約150名ほどが集まりました。

 

 担当課が 農林部安全農業課というのです。一緒になった仲間と「安全農業課という事で有機農業を推進するというのは、安全でない農業があるという事だね。」などと語り合い、「安全農業課というのがおかしくて笑えるじゃない?」

 一方で、ネオニコイド系殺虫剤が規制緩和とかで、残留農薬の基準量を緩和しました。ヨーロッパでは規制緩和どころか使用禁止になっているというのに、この国では規制緩和になるのだから、どうなっているのでしょうか。

 いわば殺虫剤だから毒です。それを規制緩和しそれまでの10倍40倍でもいいのだという規制緩和が行われています。

 毒の規制にヨーロッパも日本も人間に及ぼす影響が変わるのでしょうか。わからない事ばかりです。残留農薬基準という規制があると言う事は毒性があるからという理由に他なりません。何もないのなら規制そのものが必要ないはずです。 そんな事を話しながら会場である県の文化会館に到着しました。それも考えて見るとおかしい。安全農業の事を文化会館で研修する、なんて思うとこれもおかしな感覚に陥ります。

 会場に入ると、知り合いに出会いました。久しぶりの仲間達に会うとホッとします。同じ志を持っている仲間がいると元気をもらえます。

 有機農業30年の人と9年目で頑張っている青年後継者が登場しましたが、自らの経験を語る実践発表は勉強になります。

 詰まるところ、今日のテーマは「土作り」です。私達もそうですが、一番の取り組みは「土作り」です。「土」の定義を、種が芽を出しそれが育ち、花を咲かせ実りを迎える事ができること。大自然は、その営みの中で人間が手を加えなくとも緑豊かになっています。

 「土」は、学者さんに言わせると30センチの「土」ができるのに千年の年月がかかる、と教えられた事があります。それは、植物の力で毎年の生産物=枯れ葉などが土に落ち腐植として蓄積されて生きた土になるという事です。

 農薬や化学肥料に頼らない栄養豊かなお米や野菜を育てるには有機あるいは自然農法に依拠する事が大切だと言う事です。そのためには何が必要なのか。

 そうした課題解決のために、仲間と会い、話が聞けたよい機会でした。

                                 おかげさま農場・高柳功