麹作り

(産地の声)vol.1366                    2018.10.17

 今日は昔からのジンジの日です。伊勢神宮で言えば、神嘗祭の日です。連れ合いが作った甘酒を氏神様にお供えしました。

 食と命の教室が13日にあり、その日に麹作りを始めました。教室の参加者が麹作りをしてみたい、というのでその日にしたのでした。 

 

 麹を作るには、お米を一晩水につけて蒸かします。例年だと、一斗五升の米を用意するのですが、その半分の七升五合でやりました。

 朝のうちみんなが来るまえから薪をくべて、火をおこします。三升までできるセイロですが、七升五合を3回に分けてセイロで蒸します。一度にはできませんので、三回分ができたところで、むしろを敷き、麻布をその上に敷いてみんなでご飯をほぐし、冷まして種麹をまぶしました。

 できたてのセイロご飯はとても熱くて火傷しそうです。みんな「アチチ」を叫び?ながらご飯をほぐします。ほぐすほど菌がまわるし、全体に麹菌が均一にまわるようになってほしいわけです。

 仕掛けは、筵を二枚敷いて(断熱のため)ほぐしたご飯に麹菌をよく混ぜたら、次は山盛りにして、その上にまた筵をかけて、保温に努めます。

 この季節は、加温せずに、発酵させます、この季節は、加温せずに自然の気候で発酵が進みます。麹菌にとってちょうどよい気温のようです、それで失敗したことがありません。

 今年は、酒米を使ってみました。知り合いが「酒米は米離れがよくてやりいいよ」と  教えてくれたので酒米を使っての麹作りでした。うるち米を使ったときより、若干熱が出るのが遅い感じでしたが、今朝までにはまずまずの麹になりました。

 発酵が始まると、麹菌の働きでムシロの中にあったお米に麹菌がまわって、ばらばらだった米が、菌糸の影響で粒と粒がっくっつき、固まりとなります、それを再び両手でもんで一粒一粒がばらばらになるようも米をもんで調整します。

 酒米は粒離れがいいと言うことでしたが、確かに米離れがよく、固まりを作るのではなく、一粒一粒に菌が回り全体の仕上がりのよい麹となりました。まずまずの甘みとうま味が出たように思います。

 天の恵みに感謝し、先祖に感謝の念を持ってお供えしました。

                                       おかげさま農場・高柳功