無農薬栽培の仕事

(産地の声)vol.1359                    2018.9.5

 台風21号が去りましたが、畑の作物は急に害虫が増えてきました。ナスやピーマンなど穴を開けられ卵を産み付けられています。

 葉ものであるモロヘイヤや空心菜なども穴だらけ、選んで荷作りしていますが、多少穴があるのは我慢してください。

 そんな中フランスに長くいた従兄弟が来ました。仕事をしながら「ナスが風に当たって傷だらけになって半分以上捨てるしかない」と言う私たちの選別加減を見て「有機ならばとそんな傷だらけのナスもフランスでは捨てるようなものだって売っているよ」という。

 お国の違いか、この国ではそうもいきません。フランスのように消費者の理解というか自然の影響に理解あるようになってくれれば、有機農家は助かるのですが。

 無農薬栽培の最も大変な仕事が草退治です。次に対策の取りようのないことが害虫による食害です。これから植えるキャベツなどは、慣行栽培は、殺虫剤の散布をしますが、有機農家は物理的排除の方法として虫が入らぬよう、ネットをかけるしかありません。これがまたやっかいな仕事です。

 植えてすぐにネットをかけないと侵入されてしまうのです、ネット用のパイプを設置し、ネットが野菜に触らぬようトンネル用のパイプを刺してから、ネットをかけます。収穫までトンネルをかけっぱなしです。

 虫たちの側からすれば秋は繁殖の季節で、迎える冬に向かって子孫を残すために繁殖力が強くなるのでしょう。

 稲刈りの方は、地域の大部分が刈り取りを終え、私の田んぼだけが残っています。お客さんから「いつから新米がでますか」とせっつかれています。こちらも都合があります。国の検査が済まないと販売に回すことが出来ません。

 3点セットと呼ばれる年度、品種、産地の表示は検査がされていないと表示できないことになっています。面倒なのです。

 ということで、出来た分だけでもということで検査をしてきました。来週からは新米の出荷が始まります。

 

                 おかげさま農場・高柳功