瑞穂の国

(産地の声)vol.1348                2018.6.13

 田んぼが一面青々としてきています。遠くから見ると青い芝生が一面に広がっているようにみえて美しいのです。

 植え付けから早1ヶ月以上が経って、活着、分けつが進み早必要茎数が取れたので、緑いっぱいです。一方早い人は中干しに入っています。

 

 中干しというのは、水を切って茎数を止めて出穂を待つことと緩んだ田んぼを締める効果があります。多少田んぼが固くないとコンバインが動かなくなってしまうのです。特に私達の田んぼは谷津田なので地盤がゆるいのです。

 そんな中、仕事の合間を縫って鹿嶋、香取神宮へ行ってきました。今来ているイタリアの青年を連れて行きました。彼は、源氏物語や古事記、鴨長明なども読み、俳句も勉強しています。

 昔のことを思い出します。このままいったら日本の学生と外国の学生が出会って時、会話が成り立たなくなる恐れがあるのではないか、ということをむの武治さんが指摘していました。日本の教育がおかしい、と。

 今の教育はこうした歴史を余り教えないようです。日本の学生は日本の文学を読まない。もっぱら欧米の知識ばかりが優先選考している気配があります。

 鹿島神宮は、創立2700年と自称しています。その行事の中にお田植え祭があります。その際、田植え舞を奉納します。その歌を紹介します。

 荒田返し 水潘きて

 秋の稔り 豊にと

 早苗植うる 神の御田

 いざ来乙女 早乙女よ

とうたい、次には流鏑馬も奉仕される。(と鹿島神宮誌にあります)

 古事記にもお米の実る国、稔り豊かな瑞穂の国とあります。今生天皇も皇居でお田植えをしています。この国の始まりから自然に対する畏敬の念を抱いてきた日本人でしたが、今は違うようです。連れ合い曰く、「こんなんじゃ、罰が当たるよね 」という。

一緒に行ったイタリアの青年も一緒にお賽銭を上げお参りしたのですが、とても感動し、「ありがとう、ありがとう」と何度も言う。

 日本人が日本離れしているというのに、イタリアの青年が感動しているなんてどうなっているんでしょう。

                        おかげさま農場・高柳功