諸行無常です

(産地の声)vol.1319     <諸行無常です>       2017.11.22

 あまりよい話ではありませんが、ここのところお葬式が続いています。始めは私の同級生です。彼は有機栽培ではありませんが同じ町で農業を頑張っていた友人です。

 

 

 病身の両親を抱え8月には父親の葬儀をしたばかりです。連れあいは10年ほど前に脳腫瘍で亡くなっていて人を雇いながら一人経営でした。数ヶ月前に娘さんが農家を継ぐと言って帰って来たばかりだと聞きました。十分に伝えることを伝えきれずに突然亡くなってしまったのです。が、それでも娘さん夫婦が家にいたことだけでも良しと考えるしかありません。

 人は誰でも生老病死を迎えます。諸行無常です。とは言え同級生が亡くなるのは堪えます。毎年一人ぐらいの同級生が亡くなってきています。多いのはガン、次に心臓或いは脳梗塞など。気をつけていても中々それを乗り越えるのは難しいようです。

 そんな中でもここのところイベントが続いています。市の産業祭りやふれあい祭りと言ったかっての収穫祭のような参加です。当農場は農業団体でもありますが商工会ともつきあいがあり、毎年声がかかります。

 有機農業や環境問題を提起する場でもあります。会員農家の育てた野菜を持ってともあれ食べてもらおう!と毎年参加しています。食べ物は食べてみないと分かりません。そして美味しいと言われることが何よりの有り難いことです。

 とは言え野菜はその場では食べられません。そこで、餅を焼いたり甘酒やおにぎりなどを並べます。賑やかな人出の多いときは食べ物が人気です。出店の8割は食べ物屋さんです。負けずに頑張ろうと思っているのですがいつもいくらか残ってしまいます。娘曰く、「お父さん今回も赤字かなあ」と嘆いています。私は「何、参加することに意義があるんだ。参加するだけで、頑張っている人がいることの表明だ!」などと負け惜しみを言ってます。

 一方でなくなった人の弔いをしながら、一方で今生きている人のことを思いイベント参加していると、何か複雑な心境になります。

 そして今日は食と命の教室の人達が椿の実をもってきて椿油の搾油をしました。少しですが、ホンモノの油を!自前で、と言うことで試しにパンにつけて食べましたが美味でした。その後はお通夜に参列の日でした。

                        おかげさま農場・高柳功