食の相談会に

(産地の声)vol.1314     <食の相談会に>     2017.10.18

 食の相談会、と言う催しに参加してきました。幕張メッセの国際会議場を借りてのイベントです。県内の信用金庫協会が主催して地方の振興を図ろうという企画です。

 

 当農場はこれまで営業活動とかビジネスのための活動というものはあまりしてきませんでした。それでも、あの大震災以来、食の関心が放射能問題ですっかり変わり無農薬や有機農業の意味が薄れてきてしまった感を抱いていました。

 おかげさま農場を始めて早30年になりますが、化学物質の恐ろしさが自然環境に与える影響を考え、人間も自然生態系の一員であることから自然の摂理に背くことのないようにすること、そしてそうすることが何よりも人間のいのちの安全に繋がることだと標榜して来ました。

 それが、福島原発問題で放射能(=被爆)問題が大きくなり、無農薬栽培や有機栽培自然農の意味がどこかに行ってしまったかのような現象がでてしまったようです。

 何を食べればいいのかというより何を食べてはいけないか、と言う思考回路になってしまったようです。私達は残留農薬、残留放射能対策をしつつ対応してきましたが、日本人は化学物質より遙かに放射能問題の方に敏感でした。

 食べてはいけないものを避けることはもちろんですが、避けるための努力と必要なものを食べることの大切さを同時に考えないとはいけないのではないかと問いかけてきましたが、問題は複雑でした。自然食品店の営業が立ち行かなくなりあちこちで閉店が続いたのです。

 そんなこともあって新たな道を模索することもありか、と信用金庫さんのお誘いもあって参加したのでした。当方の関心を寄せてくれた方との話は、あるがままに当方のやってきたことや当農場の関心事を伝えました。

 良き出会いだったと思いました。すぐには取引ということではありませんでしたが、「無理をせず場合によっては2年3年をかけてよりよき関係を作っていきたい」と言う話で双方とも理解を深めた話し合いでした。

 早々条件が揃う訳がありません。農の世界は今欲しいといってもすぐに対応出来る訳ではありません。工業製品とは違うのです。今話していて出来るのは来年のことになるのです。農のサイクルは最低一年という時間を要します。

                   おかげさま農場・高柳功