(産地の声)vol.1306 <自然とふれあい学ぶこと> 2017.8.24
おかげさま農場の片岡です。今年の夏はジメジメと梅雨のような日が続いてきましたが、ここに来て最後の力を振り絞るように夏真っ盛り、という感じです。
さて、この前の日曜日は高柳場長と毎月開催している「食と命の教室」でした。今月は稲刈りの準備の一環で、無農薬田んぼに生えた草をみんなで刈り取りました。田んぼには色々な生き物がいます。特に目に見える地表部分であれば、トンボが飛んでいたりイナゴの群れがいたり、クモの巣が張ってあったり。命というのはみんなで共生しているんだということが良く分かります。
そんな田んぼ作業の後、参加者の1人のAさんが「クモの巣って何のためにあるんですかね?」という質問をしてきました。最初、何を聞いてこられたのかわからなかったのですが、「クモはクモの巣で虫を捕まえて食べますよね、そのことですか?」と答えると「えっ、クモって巣で虫を捕まえて食べるんですか!」とびっくりされたのです。その反応に私もちょっとびっくりしてしまいました。 Aさんはクモやカマキリが虫を捕まえて食べることを知らなかったと言います。純粋な方で、新しい事を次々と吸収し学んでいく意欲が旺盛で、些細なことにも感動をされているので、私もその様子を見て、当たり前のことかもしれないけど、改めて自然の中で生きている私達も含めた生き物のことに思いを巡らしました。
Aさんにも説明したのですが、自然界は本当に良く出来ています。春が近づくと芽吹きが始まり、草や葉っぱが出てきます。すると葉っぱを食べる芋虫やバッタなどが卵からかえってむしゃむしゃと葉っぱを食べ始めます。そして花が咲く頃にチョウチョなどが飛び交い始め、そういった虫がいっぱいになる頃、捕食クモやカマキリの卵が孵るのです。次々と順番に命がバトンタッチされるように生き物が出てくるのです。そのことに毎年「自然って凄いな~」と思います。
見事としか言いようのない生態系や自然の循環に触れていると、人間も自然の中の一つであることに改めて気づきます。そう思えば、地球の裏側から安いからといって食べ物を取り寄せたり、夏に冬の野菜を食べるといったことは不自然だし、肩肘を張らずとも旬のものを食べて生きる生活こそが自然だと当たり前に思えるんじゃないのかな、と思う今日この頃です。
おかげさま農場・片岡弘充