皆様へ 2017.1.5
おかげさま農場・髙柳功
明けましておめでとうございます。
農業という仕事は、大切な仕事です。人間の命を預かる食を生産する仕事で
す。どのような人間であろうとも食べなければ生きることは出来ません。それ
が今では斜陽産業のように扱われている社会は、どこかおかしいと思うのです。
おかげさま農場では、無農薬栽培を基本として皆さんに協力を求め、試行錯
誤しながら運営してきました。無農薬は目的ではありません。そうではなく、
自然の力で生命力のある生産物を育てるのが本来の農の携わる人の使命ではな
いか、と考えてきたからです。
人間も地球生態系の一員です。自然生態系の系の一部とも言えます。それが、
かって地球に存在しなかった化学物質、殺虫剤や殺菌剤など、そして加工食品
には380種類に及ぶ化学食品添加物が使われています。それらが自然生態系の
一員である私達人間に影響を及ぼさないとは思えません。
今の時代は、ヒトが人類歴史上経験しなかった環境で、また経験してこなか
った食べ物で生きています。「汝とは、食べたものそのものである」とヨーロ
ッパの格言にあります。
ここ50年で日本人の食は大いに変化して、かっての日本人とは生物的に大い
に変わっています。
ガンや心臓病、脳疾患、糖尿病などは、食源病と言われています。更に、ア
トピーやアレルギーなど、これまで経験したことのない病気が増えています。
病院は増えて治療技術が向上しているとは言え、その医療費は40兆円を越えま
す。一方で、社会保障費(年金など)が30兆円となって、国税収入60兆円を超
す費用負担の国になっています。
日本食が世界遺産になって国際的に注目されていますが、肝心の日本人は、
伝統ある日本食を手放しています。ここ50年でお米より小麦の消費が、お茶よ
りコーヒーが、味噌汁より牛乳へ、と変化してきているのです。
当農場では、身土不二、医食同源を訴えてきましたが、日本人の基本に立ち
返るべきではないでしょうか。そんな思いに駆られるこの頃です。
東北大学の研究グループが「40年前の食事」を4週間食べ続けたらどうなる?
という実験をしました。その結果、肥満や糖尿病や脂肪肝、認知症を予防し寿
命を延ばす上で最も健康に良いことを確認した、という。
日本人として、伝統と誇りを持って農にかかわりたいと思います。
そんなことを考えたお正月でした。本年も宜しくお願いします。
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