暑い秋になるようです

(産地の声)vol.1252   <暑い秋になるようです>      2016.7.28

 

 おかげさま農場の片岡です。週頭に梅雨明けは(木)あたりと聞きましたが、さて、今日日にでもあけるのでしょうか?今年の梅雨は全体的に雨が少なかったのですが、7月に入ってからは曇天、小雨がボチボチあったので、昨年のようにどうしようもないほどカラカラというわけではないのですが、ただ、絶対的な雨量が足りないので、ちょっと掘れば中の方はカラカラです。

 また、今年は暖冬と暑い春だったので「今年の夏はどうなってしまうのだろう?」と心配しましたが、大方の予想に反して今年の夏は昨年ほどむちゃくちゃ暑くなったりはしないそうです。ただ、秋になっても引き続き夏の暑さが続くようで、暑い時期が長く続くそうです。もし、そうなれば秋冬野菜の初期生育も早く、例年よりは早めに出荷が始まるかもしれません。一方で、9月上旬蒔きの大根や小松菜は結構虫にやられるかもしれませんね。寒くならないと虫は活動しっぱなしですから。

 ここ数年、種の蒔き時が少しずつずれてきている気がします。秋冬野菜はどんどん寒くなっていく中で育つため、種まきの1日のずれが収穫時期の1週間のずれにつながると言いますが、最近は「ちょっと蒔き時が遅れたかな?」と思っても、間に合ってしまうのです。一方で、今年の春キャベツのように出荷予定が1ヶ月も早まってしまうなど、予想より早く仕上がってしまうことが多くなってきました。そういったことを考えてみると、今年の秋が本当に夏の暑さが続くのであれば、多少は秋冬野菜の種を遅く蒔いても大丈夫かもしれませんね。

 とはいえ、いざ蒔くとなるとやはり蒔き時を逃したくないのが農家の思いです。特に人参は蒔き時が短く、大体が7月最終週から8月1週目ぐらいまでが適期と言われています。

人参は発芽の際の水が必須条件で、発芽さえすれば7割成功と言われる作物です。なので、梅雨の水分が畑に残っている時期に種を蒔くことが必須なのです。そうすると発芽した人参が、最初は髪の毛のように細くても暑い夏の中でもだんだん太くなり、10月の最後の1カ月でぐぐっと大きくなり、寒くてほとんど大きくならなくなる11月までには十分出荷できるぐらいに育つのです。ところが蒔き時が遅れると、大きく育つ前に寒くなってしまって小さな人参になってしまいます。

 ただ、最近は発芽や初期生育の際に水を撒けば、品種によっては8月半ばに種を蒔いても冬にきちんと出荷できるように育つようになりました。これも暖冬の影響だと思いますが。結局、1年中暑いようになってしまいました。将来的には千葉県で作れる野菜も変わっていってしまうのかと、ちょっと心配しています。

                                                                                                                                                                                                                                      おかげさま農場・片岡弘充